(しみずこん)
漫画家・随筆家(エッセイスト)・小説家。歌人である清水恒子の夫。俳人である石橋秀野の弟。
長崎県長崎市生まれ。旧制長崎市立商業高校(現・長崎市立長崎商業高等学校)を卒業後に上京。漫画集団(当時の名称は「新漫画派集団」)への参加などを経て、雑誌「新青年」に連載した「東京千一夜物語」がヒット。内田吐夢監督によって映画化も果たし、一気にその名が知られるところとなる。
何と言っても代表作は、朝日新聞社より発行されている週刊誌「週刊朝日」において、1953年より連載されていた「かっぱ天国」である。この作品が、黄桜酒造(現在の黄桜株式会社)の社長であった松本司郎の目に留まったことで同社のCMキャラクターとして採用され、「かっぱっぱー、るんぱっぱー、ちょーと黄桜かっぱっぱー」という印象的なフレーズによるテレビCMが老若男女問わず注目を集めた。その後は、カルビー株式会社の「かっぱあられ」といった菓子の広告にも関わった。なお、同社が発売する人気のロングセラー商品である「かっぱえびせん」の商品名が、「かっぱ天国」に由来していることはあまり知られていない。
上述した「東京千夜一夜物語」「かっぱ天国」のほか、代表的な漫画作品には、「七ツノオハナシ」「漫画むかしばなし」「のんきな水滸伝」「アラビアンナイト」「政界漫画帖」「王さん」「かっぱ川太郎」「子守の合唱」「新絵本太閤記」「女かっぱ二十態」などがある。
随筆(エッセイ)では、「筆をかついで」「風船を揚げる」「木馬の嘶き」「続・筆をかついで」「人物花壇 – 好きなもの」など。また、小説では、「加寿天羅甚左」など。
絵本などの絵やイラストも手掛けており、その作品には、「カケストカシノミ」「キリガミヱホン」「コグマトミツバチ」「ふしぎなたいこ」「かにむかし」「ぼんやり山のぼんたろう」「ワンコがニャン」「まいごくじらとぼんたろう」「昔の笑いばなし」「昔話玉手箱」「東亜の友だち」「戦地の子供」「瘤仙人」「沢右衛門どんのうなぎ釣り」「バットをにぎれば」「ほらふき男爵」「ころちゃんとオートバイ」「河童」「河童曼陀羅」「象をたずねて」「風流滑稽譚」「ほらふきうそつきものがたり」「白いなみ白いなみイルカが行く」などがある。
死因は、肋膜炎であった。61歳。なお、当人の没後、黄桜酒造のキャラクターデザインは小島功氏が受け継いでいる。