ジョン・ウェイン

俳優・映画監督・プロデューサー。公爵を意味する「デューク」(Duke)の愛称で親しまれ、人気俳優としてその名を馳せた。

端役も含めて数々の映画に出演してキャリアを積んできたが、中でもジョン・フォードが監督を務め、ダドリー・ニコルズが脚本を手掛けた1939年の西部劇映画「駅馬車」にて、主役のリンゴ・キッドを演じたことがターニングポイントとなる。以後、ジョン・フォード作品においては欠かせない役者として輝きを放った。

出演した主な映画には、上述した「駅馬車」のほか、「最敬礼」「ビッグ・トレイル」「鉄腕ジョーンズ」「アリゾナ」「テキサスの若武者」「アリゾナ・ギャング」「金塊争奪」「大山脈の西」「スター・パッカー」「紅唇罪あり」「無法辺境地帯」「アリゾナの空の下で」「夜明けの男」「テキサスの恐怖」「パラダイスキャニオン」「荒原の激闘(「西部地獄街」「荒原の激闘」といった邦題もあり。原題も「Born to the West」「Hell Town」の2パターンあり)」「砂塵の町」「アリゲニー高原の暴動」「暗黒街の王者」「暴力街」「西部の顔役」「フライング・タイガー」「西部を駆ける恋」「拳銃の町」「バターンを奪回せよ」「恋愛超特急」「コレヒドール戦記」「タイクーン」「拳銃無宿」「三人の名付親」「赤い河」「ケンタッキー魂」「硫黄島の砂」「ハワイの陰謀」「男の叫び」「勝負に賭ける男」「捜索者」「中共脱出」「男の魂」「ジェット・パイロット」「騎兵隊」「リオ・ブラボー」「アラモ」「リバティ・バランスを射った男」「西部開拓史」「サーカスの世界」「マクリントック」「エル・ドラド」「グリーンベレー」「リオ・ロボ」「11人のカウボーイ」「ビッグケーヒル」「マックQ」「オレゴン魂」「ブラニガン」「ラスト・シューティスト」などがある。なお、このうち、「拳銃の町」「拳銃無宿」「アラモ」「グリーンベレー」などいくつかの作品では、製作や監督を手掛けている。

主な受賞歴には、アカデミー賞(主演男優賞、作品賞)を始めとして、ゴールデングローブ賞(ドラマ部門主演男優賞、ヘンリエッタ賞、セシル・B・デミル賞)などがある。そのほか、AFI(American Film Institute:アメリカン・フィルム・インスティチュート)によって選定される映画スターベスト100(男優部門第13位)や、アメリカ映画100年のヒーローと悪役ベスト100(ヒーロー部門第36位)にも名を連ねている。

アメリカ合衆国カリフォルニア州オレンジ郡にあるニューポートビーチの病院にて死去。死因は、胃癌であった。72歳。胃癌が悪化し、1ヵ月ほど前より入院生活を送りながら治療に専念していたが、72歳の誕生日を過ぎた僅か17日後に帰らぬ人となった。なお、訃報は「ミスター・アメリカ死す」などのタイトルで日本の主要メディアでも大きく報道された。

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