フィリップ・K・ディック

(フィリップ・キンドレド・ディック)
SF作家・小説家(アメリカ)。リドリー・スコット監督、ハリソン・フォード主演による1982年の作品「ブレードランナー」や、ポール・バーホーベン監督、アーノルド・シュワルツェネッガー主演による1990年の作品「トータル・リコール」、スティーヴン・スピルバーグ監督、トム・クルーズ主演による2002年の作品「マイノリティ・リポート」など、数多くの大ヒットSF映画が当人の作品を原作としていることで世界的に有名。なお、「ジャック・ダウランド」(Jack Dowland)や「リチャード・フィリップス」(Richard Phillips)といった名義での活動歴もある。

アメリカ合衆国イリノイ州クック郡シカゴに生まれ、二卵性双生児(双子)の1人だったものの妹は生後40日で亡くなっている。この事実は当人の創作活動に大きな影響を与えており、数々の作品において「幻影の双子」のモチーフが登場する所以である。

主なSF小説の作品に、「ジョーンズの世界」「宇宙の眼」「いたずらの問題」「高い城の男」「ヴァルカンの鉄鎚」「未来医師」「最後から二番目の真実」「火星のタイム・スリップ」「ドクター・ブラッドマネー」「シミュラクラ」「時は乱れて」「パーマー・エルドリッチの三つの聖痕」「逆まわりの世界」「ガニメデ支配」「空間亀裂」「ザップ・ガン」「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」「死の迷路」「ユービック」「あなたをつくります」「フロリクス8から来た友人」「ヴァリス」「スキャナー・ダークリー」「アルベマス」「ニックとグリマング」「怒りの神」などがある。

また、短編集として、「パーキーパットの日々」「地図にない町」「ウォー・ゲーム」「宇宙の操り人形」「顔のない博物館」「まだ人間じゃない」「ゴールデン・マン」「少数報告」「ウォー・ベテラン」「永久戦争」「アジャストメント」「人間狩り」「小さな黒い箱」「人間以前」「変種第二号」などの作品が発表されている。

SF小説以外の一般小説やノンフィクション作品に、「ジャック・イジドアの告白」「市に虎声あらん」「小さな場所で大騒ぎ」「フィリップ・K・ディック/我が生涯の弁明」「フィリップ・K・ディックのすべて」「ラスト・テスタメント」などがある。

主な受賞歴に、SF作品・ファンタジー作品に贈られるヒューゴー賞や、ジョン・W・キャンベル記念賞、英国SF協会賞など。

死因は、脳梗塞であった。53歳。亡くなる半月ほど前に脳梗塞により意識不明に陥っているところを発見され、病院に緊急搬送されていた。その後、回復することなく脳死と診断され、家族の判断によって生命維持装置を外された。

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