開高健

(かいこうたけし)
作家・小説家。テレビドラマにもなった短編小説「裸の王様」や、ベトナム戦争を題材にした「輝ける闇」などの作品で有名。詩人・エッセイスト(随筆家)である牧羊子の夫。同じくエッセイストである開高道子の父。なお、「かいこうけん」と読まれることも多く、本人も「かいこうけん」を名乗り、「Ken」とサインすることがあったという。

PR誌の編集やコピーライターとしての活動などを経て、文芸雑誌などに作品を発表するようになる。1957年、大発生する野ネズミがテーマとなる「パニック」が「新日本文学」に掲載され、これが商業誌デビューとなった。以後、小説、エッセイ、ノンフィクションなどの分野で数々の作品を生み出した。

主な小説作品には、上述した「裸の王様」「輝ける闇」「パニック」のほか、「流亡記」「屋根裏の独白」「日本三文オペラ」「ロビンソンの末裔」「見た・揺れた・笑われた」「片隅の迷路」「七つの短い小説」「青い月曜日」「新しい天体」「ロマネ・コンティ・一九三五年」「破れた繭」「夜と陽炎」「二重壁・なまけもの」「花終る闇」「戦場の博物誌」「開高健・短篇選」などがある。

随筆(エッセイ)やノンフィクションの分野では、「過去と未来の国々」「日本人の遊び場」「ベトナム戦記」「紙の中の戦争」「サイゴンの十字架」「白いページ」「最後の晩餐」「地球はグラスのふちを回る」「白昼の白想」「あぁ。二十五年」「風に訊け」「生物としての静物」「今夜も眠れない」「知的経験のすすめ」「開口閉口」「開口一番」「開高健のパリ」「眼を見開け、耳を立てろ、そして、もっと言葉に・・・」など。

共著者・編著者として携わった作品には、「わが内と外なるヒトラー」「世界カタコト辞典」「それでも飲まずにいられない」「弔辞大全」「やってみなはれみとくんなはれ」などがある。

また、「オーパ!」「私の釣魚大全」「フィッシュ・オン」など、趣味である釣りに関する著書も多く、釣り上げた魚をそのまま海や川に戻す「キャッチ・アンド・リリース」の概念も当人が広めたと言われている。

主な受賞歴に、芥川龍之介賞、川端康成文学賞、菊池寛賞、毎日出版文化賞、日本文学大賞など。

東京都港区の病院にて死去。死因は、食道腫瘍と肺炎の併発であった。58歳。1989年に入り、食道癌の手術を受けていた。

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