宮川一夫

(みやがわかずお)
映画カメラマン。「セカイのクロサワ」こと映画界の巨匠・黒澤明や、国際的にも高く評価された溝口健二などが監督を務める数多くの作品にてカメラマンを務め、白黒の陰影にこだわりながら美学の本質を追求し、自身も世界的に評価される映画カメラマンの第一人者となった。特に、大映株式会社が制作する映画の時代劇などで有名。紫綬褒章・勲四等旭日小綬章受章者。

主な受賞歴に、毎日映画コンクール(撮影賞)や、ブルーリボン賞(撮影賞)、芸術選奨文部大臣賞、日本映画ペンクラブ賞、川喜多賞、山路ふみ子文化賞、朝日賞などがある。

代表的な作品に、デビュー作である「お千代傘」を始め、「牢獄の花嫁」「一刀流指南」「戦塵」「宮本武蔵」「恩讐巡禮唄」「お千代年ごろ」「鞍馬天狗」「神変麝香猫」「袈裟と盛遠」「茨右近」「魔像」「南方発展史」「地獄の蟲」「尊王村塾」「小太刀を使ふ女」「かくて神風は吹く」「女と海賊」「炎上」「赤胴鈴之助」「手袋を脱がす男」「浮草」「鍵」「女経」「ぼんち」「手をつなぐ子等」「好色五人女」「幽霊列車」「新妻会議」「悪名」「続・悪名」「城ケ島の雨」「愛の山河」「赤い手裏剣」「東京オリンピック」「千羽鶴」「瀧の白糸」「噂の女」「ある殺し屋」「小さい逃亡者」「座頭市の歌が聞える」「夜の河」「赤線地帯」「殺し屋をバラせ」「座頭市果し状」「出獄四十八時間」「鬼の棲む館」「刺青」「月姫系図」「尻啖え孫市」「座頭市あばれ火祭り」「沈黙」「妖婆」「はなれ瞽女おりん」「瀬戸内少年野球団」「影武者」「羅生門」「悪霊島」「浪人街」「舞姫」などがある。その作品数は実に134本に上る。

著書に、「映画の天使」「キャメラマン一代―私の映画人生60年」など。

晩年は、足を患ったことで車椅子生活を続けていたという。1999年に入り、2月より入院生活だったが、意識不明に陥った後そのまま帰らぬ人となった。死因詳細等は不明。91歳。

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