勅使河原宏

(てしがはらひろし)
映画監督・演出家・舞台美術家。また、華道家・陶芸家・芸術家といった幅広い顔も持つ。草月流家元(3代目)でもあり、総じて、映画・オペラ・陶芸・生け花など数多くの分野で活躍した。女優である小林トシ子の夫。生け花草月流創始者である勅使河原蒼風の息子。紫綬褒章受章者。

自身の父親はもちろん、画家である岡本太郎などからも影響を受けながら、生け花を始めとするあらゆる芸術分野でアヴァンギャルドな作品を発表してその名を馳せる一方で、1953年美術映画「北斎」を制作したことをきっかけとして映画監督としても活動するようになる。

2018年に東宝株式会社に吸収合併されたATG(日本アート・シアター・ギルド)における初めての日本映画監督としても知られており、「利休」「砂の女」などの代表作品によって国際的にも有名。

監督した主な映画には、上述した「北斎」「利休」「砂の女」を始め、「十二人の写真家」「おとし穴」「白い朝」「いのち ―蒼風の彫刻」「他人の顔」「燃えつきた地図」「サマー・ソルジャー」「アントニー・ガウディー 」「豪姫」などがある。

また、特に、晩年においては、舞台美術の創作も積極的に手掛け、「すさのお異伝」「スサノオ」「トゥーランドット」などの作品に携わった。

受賞歴には、カンヌ国際映画祭(審査員特別賞)、モントリオール国際映画祭(最優秀芸術賞)、日本アカデミー賞(会長特別賞)、ベルリン国際映画祭(国際アートシアター連盟賞)、ブルーリボン賞(監督賞、作品賞)、キネマ旬報賞(監督賞)、毎日映画コンクール(監督賞)、芸術選奨文部科学大臣賞などがある。

著書に、「花造形」「私の茶道発見 日本の美の原点とは」「草月流いけばな」「花のいのち 21世紀に遺す」など。

病院にて死去。死因は、急性リンパ性白血病であった。74歳。

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