アンソニー・クイン

俳優(アメリカ)。画家や作家という一面も有する稀有な経歴の持ち主。メキシコで生まれ、メキシコ人の両親を持つ。同じく俳優であるフランチェスコ・クイン、ロレンツォ・クイン、アレックス・クイン、及び女優であるヴァレンチナ・クインの父。イタリア人・ギリシャ人・メキシコ人・アラブ人など、様々な国籍の登場人物を個性溢れる存在感と演技力で演じ続けた世界的な名性格俳優として有名。

少年時代にアメリカ合衆国・カリフォルニア州のロサンゼルスに移住、画家や靴磨きをしながら生活していた。その後、1936年に「Parole」で俳優デビュー。同年には、「The Milky Way」(ロイドの牛乳屋)や「平原児」「殺人都市」といった作品にも出演し、その後、映画やテレビシリーズにコンスタントに出演するようになる。とは言っても早くから注目を集めていたわけではなく、その名が知られるようになったのは1952年の「革命児サパタ」でアカデミー賞の助演男優賞を獲得してからである。この時、既に30代後半となっていた。

主な出演作品には、上述した「The Milky Way」(ロイドの牛乳屋)や、「Parole」「平原児」「殺人都市」「革命児サパタ」を始め、「ワイキキの結婚」「スイング」「海賊」「ほろ酔い市長候補」「十一人の脱獄者」「大平原」「緊急待機命令」「センチメンタルな殺人」「シンガポール珍道中」「壮烈第七騎兵隊」「血と砂」「牛泥棒」「モロッコへの道」「海の征服者」「西部の王者」「船乗りシンバッドの冒険」「バターンを奪還せよ」「タイクーン」「世界を彼の腕に」「炎の人ゴッホ」「最後の酋長」「吹き荒ぶ風」「道」「ユリシーズ」「灼熱の勇者」「黄金の都」「ノートルダムのせむし男」「野性の息吹き」「ワーロック」「黒い蘭」「ガンヒルの決斗」「西部に賭ける女」「黒い肖像」「バレン」「アラビアのロレンス」「ナバロンの要塞」「日曜日には鼠を殺せ」「その男ゾルバ」「名誉と栄光のためでなく」「マルコ・ポーロ大冒険」「真昼の衝動」「サン・セバスチャンの攻防」「サンタ・ビットリアの秘密」「最後のインディアン」「25時」「110番街交差点」「マルセイユ特急」「ザ・ファミリー」「ザ・メッセージ」「砂漠のライオン」「パッセージ」「バレンチナ物語」「ゴースト・ラブ」「スター・レジェンド」「ジャングル・フィーバー」「老人と海」「ラスト・アクション・ヒーロー」「リベンジ」「サムバディ・トゥ・ラブ」「勇者ヘラクレス」「雲の中で散歩」「ザ・ボディガード」「ゴッチ・ザ・マフィア」などがある。

受賞歴には、上述したアカデミー賞(助演男優賞)を始め、ゴールデングローブ賞(セシル・B・デミル賞)などがある。

病院にて死去。死因は、呼吸器疾患であった。86歳。

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