井上瑤

(いのうえよう)
声優・放送作家・ダンサー・占い師。東京都出身。特に、声優として「機動戦士ガンダム」のセイラ・マス役などで知られている。「井上遥」と表記され、「いのうえはるか」と読まれることも多いが、誤りである。

同人舎プロダクションなど数々の事務所を経て、最終的には芸能界文化の向上を目的として芸能界を革新するべく設立された「東京俳優生活協同組合」に所属。

早稲田大学卒業後、音楽及びトークを中心とした若者向けのワイドショー番組「ヤング720」にて放送タレントとしての歩みを開始。以後、TBS系列のテレビ番組を中心に出演したが、顔を知られたくないという理由で、顔出しのない声優としての活動を決意する。

また、出演番組の台本を書いていたことから放送作家としても活動するようになる。大橋巨泉の司会で土曜日の夜にTBS系列で放送されていた大人気クイズ番組「クイズダービー」の問題を作成したり、桑原茂一・伊武雅刀・小林克也の3名によって結成されたコントユニットが出演したラジオ番組「スネークマンショー」で構成を手掛けたりした。

さらには、「レイ・ホシコ」の名前で占いを行ったり、モダンダンスのダンサーとして日生劇場や国立劇場などの舞台に立ったりするなど、マルチな才能を発揮しながら幅広く活躍した。

実母を失くしたあと、インドに呼ばれている気がするとの理由で「うる星やつら」のランちゃん役などの仕事を降板して海外旅行に出掛け、オーストリア出身の男性と出会って結婚したという破天荒な経歴の持ち主でもある。

声の出演を果たした主なテレビアニメや劇場アニメに、上述した「機動戦士ガンダム」を始めとして、「ポールのミラクル大作戦」「一発貫太くん」「ヤッターマン」「家なき子」「科学忍者隊ガッチャマンII」「未来少年コナン」「ゼンダマン」「こぐまのミーシャ」「科学忍者隊ガッチャマンF」「伝説巨神イデオン」「ヤットデタマン」「ダッシュ勝平」「鉄腕アトム」「うる星やつら」「スプーンおばさん」「魔法の天使クリィミーマミ」「ハイスクール!奇面組」「特装機兵ドルバック」「シティーハンター」「おそ松くん」「ジャングル大帝」「それいけ!アンパンマン」「らんま1/2」「たいむとらぶるトンデケマン!」「楽しいムーミン一家」「魔法のエンジェルスイートミント」「幽☆遊☆白書」「少年サンタの大冒険!」「魔法使いTai!」「ビックリマン2000」「THE IDEON」「うる星やつら オンリー・ユー」「うる星やつら4 ラム・ザ・フォーエバー」「うる星やつら 完結篇」「おそ松くん スイカの星からこんにちはザンス!」「カッパの三平」「クレヨンしんちゃん – アクション仮面 VS ハイグレ魔王」「劇場版 天地無用!真夏のイヴ」「マクロスFB7・オレノウタヲキケ!」「遊☆戯☆王デュエルモンスターズ」などがある。

また、OVA(オリジナルビデオアニメ)やゲームにおいても多数の作品で声の出演を果たしており、代表的なものには、「機動警察パトレイバー」「リヨン伝説フレア」「ハロー張りネズミ〜殺意の領分〜」「赤ずきんチャチャ」「GUNDAM EVOLVE1 RX-78-2GUNDAM」「機動警察パトレイバー〜グリフォン篇~」「SDガンダム・GGENERATION」「スーパーロボット大戦シリーズ」「機動戦士ガンダム – めぐりあい宇宙」「機動劇団はろ一座・ハロのぷよぷよ」「第3次スーパーロボット大戦α・終焉の銀河へ」などがある。

その他、数多くの海外ドラマや海外映画においても吹き替えを担当した。その作品の数々は枚挙に暇がないが、ほんの一部を挙げると、「愛の選択」「ポセイドン・アドベンチャー2」「奇跡の旅」「風と共に去りぬ」「トップガン」「がんばれ!ベアーズ特訓中」「チャーリー」「バタリアン2」「バーチャル・ウォーズ」「マッドマックス」「ボーイズ’ン・ザ・フッド」「私が愛したグリンゴ」「ヤァヤァ・シスターズの聖なる秘密」「裸の十字架を持つ男」「新アウターリミッツ」「名探偵ポワロ」「ダーマ&グレッグ」「ライオンたちとイングリッシュ」などがある。

「うりこひめとあまのじゃく」「およめさんもらっちゃった」「ゆきわたり」「ゆうびんやさんのはなし」「くもの糸」「おやゆびひめ」「おむすびころりん」「おさるとホタル」「あまのはごろも」といった多くの人形劇にも声で出演した。

著書に、「井上瑶の南洋じゃ美人」など。

病院にて死去。死因は、肺水腫であった。56歳。2000年頃より、体調不良のために声優としての仕事を降板するなど、健康状態に不安を抱えた状態が続いていた。また、肺癌を患っていることが発覚し、手術を受けて成功に終わったものの、その後も入退院を繰り返す状況であったという。

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