(ゆめじいとし)
漫才師・俳優。弟である喜味こいしとの兄弟・漫才コンビ「夢路いとし・喜味こいし」の1人として有名。上方演芸界・漫才界を代表する1人。紫綬褒章・勲四等旭日小綬章受章者。大阪府大阪市指定無形文化財に指定されている。
出身は関西ではなく神奈川県横浜市。その理由は、全国を旅回る芸人家族であったため、生まれたのが計らずも横浜であったというもの。1940年に大阪市中央区に本拠を構える吉本興業株式会社より「荒川芳博・芳坊」としてデビュー。1948年に「夢路いとし・喜味こいし」に改名し、演芸の浪花座や道頓堀角座などに定期出演しながら芸を磨いた。
以後、通算50年以上の長きに渡って上方演芸界の第一線で活躍し、ビートたけしや志村けん、ダウンタウンら大御所を始め、大平サブロー・中川家・爆笑問題など「夢路いとし・喜味こいし」の2人をリスペクトする芸人は少なくない。
俳優として多くの映画やテレビドラマにも出演している。主な出演映画には、「第三の悪名」「巣立ちのとき 教育は死なず」「夢見通りの人々」「ガキ帝国」などがある。
また、出演したテレビドラマには、「エプロンおばさん」「大岡越前」「水戸黄門」「裸の大将」「ふたりっ子」「古畑任三郎」「ぴあの」「オードリー」「てるてる家族」「終のすみか」「武蔵 MUSASHI」などがある。
その他、スナック菓子メーカーの著名企業「カルビー株式会社」や、殺虫剤等の衛星薬品などを扱う「KINCHO(大日本除虫菊株式会社)」、香辛料などの製造・販売を行う食品メーカー「株式会社オリエンタル」など、錚々たる企業の広告キャラクターとしても採用されていた。
病院にて死去。死因は、自然気胸と肺炎であった。78歳。