寺島尚彦

(てらしまなおひこ)
作曲家・作詞家。歌手(ソプラノ)である寺島夕紗子の夫。神奈川県川崎市に本拠を構える洗足学園音楽大学で教授を務めた。

開成学園在学中、著名な作曲家・音楽教育家で、多くの門下生を持つ東京芸術大学教授(当時)の池内友次郎に出会ったのをきっかけとして、1949年に東京芸術大学音楽学部へ入学、音楽家への道を歩み始める。1951年には、NHK(日本放送協会)と毎日新聞社が共催する若手音楽家の登竜門「日本音楽コンクール」にて、作曲部門の第3位を獲得。

最も有名な著作は、歌手である田代美代子のために作ったと言われ、作曲のみならず自ら作詞も手掛けた「さとうきび畑」である。これは、当人が1964年に沖縄を訪問した際の着想が基になっており、第二次世界大戦末期における沖縄戦の悲劇を描いたもの。11連から構成されており、全てを歌うには10~11分を要するとされる。これまでに歌ってきたアーティストは、妻である寺島夕紗子を始め、森山良子、ちあきなおみ、鮫島有美子、宮沢和史、錦織健、松浦亜弥、夏川りみなど、幅広い年代に渡る。

その他、後世まで歌い継がれる数々の童謡や合唱曲を生み出した。また、テレビドラマや映画における劇伴音楽も手掛けた。

主な作品には、上述した「さとうきび畑」の他、「たのしいね」「日本語のおけいこ」「ぶうぶうぶう」「ぶったらぶたに」「びっくりサーカス」「このゆびとまれ」「14ひきのあさごはん」「黒い森と白い森」「忘れた秋」「小さな協奏曲」「青空のすみっこ」「動物のカーニバル」「友だち」「食卓の歌」「花のながれのなかに」「花の恋うた」「五つのスケッチ」「樹海」「火龍(さらまんどら)」などがある。

劇伴音楽を担当したテレビドラマや映画には、「スペクトルマン」「お母さんのつうしんぼ」「どぶ川学級」などがある。

さらに、公立千歳科学技術大学や長野原町立北軽井沢小学校を始め、日本全国の多くの学校における校歌も手掛けている。

死因は、肺腫瘍であった。73歳。

タイトルとURLをコピーしました