由良三郎

(ゆらさぶろう)
推理作家・小説家。「吉野義人」名義での活動もある。

また、昨今新型コロナウイルス感染症(COVID-19)によって注目を集めることとなった「ウイルス学」(ウイルスを始めとする非細胞性生物群を扱う生物学)に携わっていた学者でもあり、日本ウイルス学会会長(第29代)なども歴任した。特に、様々な病原体のあるヘルペスウイルスの研究者として知られている(なお、ウイルス学者としては、本名である「吉野亀三郎」として活動)。そのため、推理小説家としての著作には、ウイルスを利用した殺人を扱ったものも多い。

東京帝国大学医学部を卒業後、海外留学などを経て、ウイルス学者として東京大学医科学研究所や横浜市立大学医学部の教授を務める。定年退職後、1984年にサントリー・朝日放送・文藝春秋が共同主催したミステリー公募において、「運命交響曲殺人事件」でサントリーミステリー大賞を受賞、推理作家としてのデビューを果たす。実に、62歳での遅咲きデビューであった。執筆を始めたその背景には、高校時代に親交のあった、著名な推理小説作家である高木彬光の影響があったと思われる。

「吉野亀三郎」名義での著作(ウイルス学関連)には、「最新医微生物学」「ウイルスのはなし」「ヘルペス」「医学英文語法」などがある。

また、「由良三郎」名義での著作(小説やエッセイ)には、上述した「運命交響曲殺人事件」を始め、「殺人協奏曲ホ短調」「ある化学者の殺人」「黒白の幻影」「葬送行進曲殺人事件」「裏切りの第二楽章」「13は殺人の数字」「円周率πの殺人」「完全犯罪研究室」「悪魔の呼気」「魔炎」「犯罪集中治療室」「ミステリーを科学したら」「血液偽装殺人事件」「ミステリーの泣きどころ」「そいつァご挨拶だね」「血痕」「看護婦高山瑠美子の事件簿」「聖域の殺人カルテ」「バイアグラ殺人事件」などがある。

死因などの詳細は不明。82歳。

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