(よこやまみつてる)
漫画家。石ノ森章太郎や手塚治虫と並び、20世紀を代表する漫画界における大御所の1人である。
代表作は、大日本帝国陸軍が太平洋戦争末期に秘密兵器として開発した巨大ロボットを描いた「鉄人28号」や、九重佑三子や大場久美子が主演を務めてテレビシリーズ化もされた「コメットさん」、人間の世界に魔法の国からやってきた小学5年生の活躍を描く「魔法使いサリー」、超能力者同士の死闘を描いた「バビル2世」など、枚挙に暇がない。
本格的に漫画家を目指すきっかけとなったのは、手塚治虫の「初期SF三部作」の1つとして名高い「メトロポリス」に感銘を受けたこと。以後、「探検王」「漫画少年」といった雑誌に作品を投稿し、掲載されるようになる。このとき、実にまだ高校生であった。高校を卒業し、就職して働きながら漫画を描くも、ほどなくして退職。退職後に描いた「鉄人28号」が爆発的な人気を得たことで、ようやくスターダムにのし上がった。
上述した数々の代表作の他、「ジャイアントロボ」「ダイモス」「サンダー大王」「伊賀の影丸」「仮面の忍者 赤影」「ムササビ」「その名は101(バビル2世続編)」「マーズ」「魔界衆」「闇の土鬼」「恋と十手とお銀ちゃん」「邪神グローネ」「白髪鬼」「おてんば天使」「ウイグル無頼」「兵馬地獄旅」「狼の星座」「三国志」「水滸伝」「史記」「チンギスハーン」「平家物語」「織田信長」「伊達政宗」「隻眼の竜」「蛟竜」など、様々な分野に渡って多数の作品が幅広く存在する。
アシスタントを務めた人物がのちに著名な漫画家となったケースも多く、赤塚不二夫、乱丸、大友康匠、斉藤あきら、岸本修らがいる。
主な受賞歴に、日本漫画家協会賞(優秀賞、文部科学大臣賞)などがある。
病院にて死去。死因は、火災による全身火傷であった。69歳。寝タバコの不始末によって自宅が出火し、過去に骨折した足の後遺症によって逃げ遅れてしまったという。