(いしいてるお)
映画監督・脚本家。早稲田実業学校を中退し、撮影助手として入社した東宝株式会社から新東宝株式会社を経て、東映株式会社にて高倉健が主演を務める「網走番外地(シリーズ)」を監督、大ヒットに繋げた。その後もヒット作を連発し、東映ポルノを中心に当時の東宝株式会社を支えるヒットメーカーの1人として重宝される。
1993年には、漫画雑誌「ガロ」に掲載されたつげ義春の短編漫画「ゲンセンカン主人」を佐野史郎主演で映像化し、「つげ義春ワールド ゲンセンカン主人」として発表、ヨコハマ映画祭特別賞を受賞した。その手腕は、東映の映画プロデューサーである天尾完次から、同じ東宝出身で世界の巨匠と言われる黒澤明と同等に評価されるほどであった。
監督を務めた主な映画作品(その多くにおいて脚本も担当)には、上述した「網走番外地(シリーズ)」や「つげ義春ワールド ゲンセンカン主人」の他、「リングの王者 栄光の世界」「鋼鉄の巨人(シリーズ)」「肉体女優殺し 五人の犯罪者」「スーパージャイアンツ」「女王蜂の怒り」「女体棧橋」「戦場のなでしこ」「黒線地帯」「日本ロマンス旅行」「女王蜂と大学の竜」「花と嵐とギャング」「黄色い風土」「ギャング対ギャング」「東京ギャング対香港ギャング」「いれずみ突撃隊」「顔役」「日本ゼロ地帯 夜を狙え」「実録三億円事件・時効成立」「神火101 殺しの用心棒」「決着」「続決着」「徳川女系図」「昇り竜 鉄火肌」「殺し屋人別帳」「監獄人別帳」「怪談昇り竜」「やさぐれ姐御伝 総括リンチ」「現代任侠史」「大脱獄」「爆発!暴走遊戯」「キンキンのルンペン大将」「暴力戦士」「無頼平野」「ねじ式」「盲獣 vs 一寸法師」「地獄」などがある。また、脚本のみを手掛けた作品として「火線地帯」「黒い画集 ある遭難」「従軍慰安婦」など。
テレビドラマにも携わっており、その作品には、「子連れ狼」「必殺仕事人」「刑事物語’85」「おんな怨霊舟」「御金蔵破り」「わが子よ、眠れ!」「愛しき妻よさらば」「夜に消えた妻・蒸発か誘拐か」「目には目を」「愛しき妻よさらば」「大豪邸に残された嫁姑」「死者からの手紙」「電話魔」「怖い贈り物」「さよならをいわないで」「蜘蛛」などがある。
病院にて死去。死因は、肺癌であった。81歳。