(みきたかし)
作曲家。「渡辺たかし」名義での活動歴もある。歌手・女優である黛ジュンの兄。歌手である松平マリ子(梅木マリ)の元夫。紫綬褒章受章者。
歌手を目指して作曲家であった船村徹に師事するも、船村氏の提案により作曲家に転向したという異色の経歴の持ち主。「恋はハートで」(泉アキ)にて1967年に作曲家としてデビューを果たす。翌1968年には、実妹である黛ジュンが歌う「夕月」の作曲を手掛け、オリコンチャート・最高ランキング2位、60万枚を超える大ヒットを記録する。以後、数々の歌手・アーティストに楽曲を提供。ヒットメーカーとして活躍した。
作曲を手掛けた主な作品には、上述した「恋はハートで」(泉アキ)や「夕月」(黛ジュン)を始め、「忘れないで」「この身がちぎれるほどに」「心の旅人」「想い出が多すぎて」「悲しい恋はどんな恋」(アグネス・チャン)、「君よ抱かれて熱くなれ」「セクシーロックンローラー」「ブーメランストリート」「ギターの墓標」(西城秀樹)、「悲しみは女だけに」「愛の化石」(浅丘ルリ子)、「夜桜お七」(坂本冬美)、「想い出のカフェテラス」(浅田美代子)、「コーヒーショップで」(あべ静江)、「津軽海峡・冬景色」「能登半島」「砂になりたい」「あいあい傘」(石川さゆり)、「さよならの恋人」(沢口靖子)、「昭和たずねびと」「嘆きのメロディー」(石原裕次郎)、「お元気ですか」(清水由貴子)、「追憶」(五木ひろし)、「あざやかな場面」「思秋期」(岩崎宏美)、「大した娘だよキミは」(ずうとるび)、「待ちくたびれてヨコハマ」(柏原芳恵)、「頬にかかる涙」(片平なぎさ)、「遣らずの雨」(川中美幸)、「懐かしの人」(千昌夫)、「哀愁のシンフォニー」(キャンディーズ)、「陽は昇り陽は沈み」(研ナオコ)、「母ひとり」(小林幸子)、「想いで迷子」(チョー・ヨンピル)、「なみだ川」(八代亜紀)、「愛傷歌」(森昌子)、「つぐない」「愛人」「時の流れに身をまかせ」「恋人たちの神話」「スキャンダル」(テレサ・テン)、「カサブランカ・グッバイ」(鳥羽一郎)、「思い出に溶けながら」(西田ひかる)、「氷をゆらす人」(野口五郎)、「ささえ」(橋幸夫)、「愛に走って」「白い約束」(山口百恵)、「女房よ・・・」(野村克也)、「献身」「天国」(藤圭子)、「ひとり旅」(細川たかし)、「花の時、愛の時」(前川清)、「この胸で泣きなさい」「十三夜月」(美川憲一)、「タイムリミット」(水木一郎)、「ダブルゲーム」(南野陽子)、「君が野に咲くバラなら」(和田アキ子)、「われとわが身を眠らす子守唄・終りなき旅」(美空ひばり)、「悲しい歌が流行ります」「北の螢」(森進一)、「めだかの兄妹」「もしも明日が・・・。」「時計をとめて」(わらべ)、「愛されてセレナーデ」(ヤン・スギョン)、「禁じられた恋」(森山良子)など、枚挙に暇がない。
受賞歴に、日本レコード大賞(中山晋平賞、特別金賞、金賞、作曲賞、ゴールドディスク賞、優秀賞)、古賀政男記念音楽大賞(優秀賞、大賞)、日本歌謡大賞、日本作曲大賞などがある。
岡山県岡山市にある病院にて死去。死因は、下咽頭癌であった。64歳。3年程前には、下咽頭癌がリンパ節に転移しているとの診断を受け、手術によって声帯ごと手術し、声を失っていた。