(おおはらけんしろう)
精神医学者・精神科医。静岡県浜松市東区の国立大学である浜松医科大学の名誉教授。精神疾患に対する精神療法(心理療法)の1つである森田療法や、自殺に対する研究が主な専門領域である。日本社会精神医学会、および日本アルコール精神医学会の名誉会員でもある。
高知県吾川郡に存在した伊野町(現在の「いの町」)に生まれ、少年時代に東京都に移住。東京慈恵会医科大学を卒業後に渡米し、南カリフォルニア大学・招聘教授、ロサンゼルス自殺予防センター・特別招聘研究員などの要職を務めた。そのほか、森田療法学会理事長、浜松医科大学精神神経科教授、愛知淑徳大学教授、日本社会精神医学会理事長など、日本においても数々の要職を歴任した。
著書(編著・共著を含む)に、「遺書の研究」「日本の自殺」「自殺論」「遺書のなかの人生」「心中考」「自殺を考える」「ノイローゼは治る」「心の健康法」「ノイローゼ・その本態と療法」「子どもの自殺」「職場の精神衛生」「挫折の心理学」「おれたちは親子」「うつ病の時代」「ときめきの復活」「生と死の心模様」「シングルライフ・孤独を生きる」「心が強くなるクスリ」「あるがままに生きる」「心を癒す処方箋」「人はみな心病んで生きる」「不安と憂うつの精神病理」「精神科医つれづれ」「とらわれる生き方、あるがままの生き方」「老いて、わがままに生きる」「心の病、その精神病理」「こころを楽にする生き方」「シングルライフを生きる」「子どものための精神医学」「家族・あるがままの絆を求めて」「やる気の出る人、出ない人」「新しい森田療法」「働き盛りのうつと自殺」「日々是好日」「満足人生」「精神科医の綴る幸福論」「現代の精神医学」「現代の精神衛生講座」
「サイコセラピー」「アルコール中毒の治療と予防」「老いの心と健康」「メンタルヘルス解説事典」「自殺企図患者のケア」「精神科治療ハンドブック」「精神科領域における漢方療法の実際」「アルコール・薬物の依存症」「自殺・子どもをとりまく問題と教育」「鬱病・管理社会のゆううつ」など、多数。
数々の海外書に対する翻訳も手掛けており、その作品には、「うつ病の本態と療法」(クレイネス)、「心理療法の効果」(ハンス・J・アイゼンク)、「家族精神医学」(ジョン G.ハウエルズ)、「死の意味するもの」(ハーマン・ファイフェル)、「頭痛の発生機序と治療」(ジェームズ・W・ランス)、「働き盛りのストレス管理法」(ジェア・E.イエイツ)など、こちらも多数。
静岡県浜松市にある病院にて死去。死因は、多臓器不全であった。79歳。