(いちむらつるぞう)
歌舞伎俳優。伝統歌舞伎保存会の会員でもあった。尾上菊三郎(4代目)の孫。重要無形文化財「歌舞伎」の総合認定保持者。
1924年、東京生まれ。1930年、坂東亀之助の名前で初舞台を踏む。小学校時代は、長唄唄方の人間国宝で、長唄協会の会長も務めていた杵屋喜三郎(15代目)と同級で親交があった。1971年に「市村鶴蔵」(初代)に改名。1972年、伝統歌舞伎保存会の会員認定を取得。
主な当たり役には、「魚屋宗五郎」の父親太兵衛や、「白浪五人男」の浜松屋番頭、「髪結新三」の家主女房おかくなどがある。
主な受賞歴に、国立劇場特別賞、国立劇場優秀賞、国立劇場奨励賞など。
死因は、老衰であった。91歳。最後の舞台は、2003年に歌舞伎座で披露された「助六由縁江戸桜」であった。