ウンベルト・エーコ

小説家・哲学者・エッセイスト・文芸評論家(イタリア)。イタリア共和国功労勲章受章者。

代表作に、画期的歴史小説と評されている1980年の作品「薔薇の名前」(Il nome della rosa)や、ベストセラーとなった2010年の作品「プラハの墓地」(Il cimitero di Praga)などがある。執筆活動に勤しむ傍らで、オックスフォード大学ケロッグ・カレッジ名誉フェロー、ボローニャ大学大学院人文学研究科長、ハーバード大学(アメリカ合衆国マサチューセッツ州ボストン所在)の教授といった要職も歴任した。

1932年、イタリア王国(当時)ピエモンテ州アレッサンドリア生まれ。イタリア北西部ピエモンテ州トリノの国立大学であるトリノ大学に入学後、論文などで徐々に才能を発揮。卒業後は国営放送局であるイタリア放送協会(RAI)でプロデューサーを務めるなどしたが、程なくして執筆活動に専念するようになる。

主な著書に、上述した「薔薇の名前」や「プラハの墓地」のほか、「フーコーの振り子」(Il pendolo di Foucault)、「完全言語の探求」(La ricerca della lingua perfetta nella cultura europea)、「バウドリーノ」(Baudolino)、「女王ロアーナ、神秘の炎」(La misteriosa fiamma della regina Loana)、「カントとカモノハシ」(Kant e l’ornitorinco)、「セレンディピティー」(Serendipities)、「ヌメロ・ゼロ」(Numero zero)、「文学について」(Sulla letteratura)、「開かれた作品」(Opera aperta)、「歴史が後ずさりするとき」(A passo di gambero. Guerre calde e populismo mediatico)、「ウンベルト・エーコの文体練習」(Diario Minimo)、「記号論」(Trattato di semiotica generale )、「ウンベルト・エーコのテレビ論集成」(Sulla televisione)、「物語における読者」(Lector in fabula)、「記号論と言語哲学」(Semiotica e filosofia del linguaggio)、「カーニバル!」(Carnival!)、「エーコの読みと深読み」(Interpretation and Overinterpretation)、「もうすぐ絶滅するという紙の書物について」(N’espérez pas vous débarrasser des livres)、「異世界の書」(Storia delle terre e dei luoghi leggendari)など、多数。

主な受賞歴に、オーストリア国家賞、アストゥリアス皇太子賞、メディシス賞(外国小説部門)、ストレーガ賞などがある。

死因は、癌であった。84歳。

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