早乙女勝元

(さおとめかつもと)
作家・小説家・児童文学作家。平和や反戦、人々の働く姿、児童向けなど、幅広いジャンルに渡って多くの著作を残した。一方で、読売新聞全国綴方コンクール中央審査委員、千葉大学非常勤講師、NHK青年の主張全国コンクール東京地方審査員、東京大空襲・戦災資料センターの名誉館長などを歴任。

1952年、弱冠20歳のときに発表した「下町の故郷」が直木三十五賞の候補になったことでその名を馳せる。第二次世界大戦末期の1945年に東京大空襲を受けるという悲惨な体験が、数々の著作や、「東京空襲を記録する会」結成などの反戦運動のルーツにもなっている。ベトナムの南北両国間で勃発したベトナム戦争では、空爆被害に対する救援にも尽力した。

主な著作(共著・編著を含む)に、上述した「下町の故郷」を始め、「ハモニカ工場」「小麦色の仲間たち」「青春の歯車」「太陽がほしい!」「輝坊といっしょに」「下町の恋人たち」「東京大空襲」「あした私は行く」「猫は生きている」「わが街角」「ベトナムのダーちゃん」「やさしく強い子に」「恋人たちの絵本」「人間らしく」「『それぞれの愛」「東京が燃えた日」「アウシュビッツと私」「愛ちゃんと歩けば」「平和に生きる」「優しさと強さと」「わが子と訪ねた死者の森収容所」「小学・中学・高校生」「ぼくの生活夢日記」「炎のあとに、君よ」「パパママバイバイ」「ターニャの日記」「失職失恋、そして・・・」「さようならカバくん」「東京大空襲ものがたり」「再会ベトナムのダーちゃん」「生きることと学ぶこと」「戦争と子どもたち」「枯れ葉剤とガーちゃん」「戦争孤児のダーちゃん」「ナパーム弾とキムちゃん」「初心そして・・・」「もしも君に会わなかったら」「プラハの子ども像」「アンネ・フランク」「徴用工の真実」「その声を力に」「母と子でみる東京大空襲」「人間発見の旅」「母と子でみる愛と平和の図書館」「東京を爆撃せよ」「母と子でみるハルビンからの手紙」「ベトナムに春近く」「わが母の歴史」「「戦争と青春」と私」「柳寛順の青い空」「毒ガス島」「スーチーさんのいる国」「プラハは忘れない」「青春の夢みる沖縄」「イタリア・パルチザン」「忘れないあのこと、戦争」「東京大空襲60年母の記録」「炎の中、娘は背中で・・・」「平和のための名言集」などがある。

その著作の数々は映画やドラマ、舞台にもなっており、その作品には、「二人だけの橋」「秘密」「明日をつくる少女」「パパ ママ バイバイ」「戦争と青春」軍隊をすてた国」(映画)や、「秘密」「小麦色の仲間たち」「下町の青春」「夫婦さかさま」(テレビドラマ)、「素晴らしい贈物」「青春の歯車」「死んでもブレストを」(舞台)などがある。

受賞歴に、菊池寛賞・日本ジャーナリスト会議奨励賞・日本ジャーナリスト会議奨励賞・日本アカデミー賞特別賞などがある。

死因は、老衰であった。90歳。

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