天児牛大

(あまがつうしお)
舞踏家・演出家・振付家。神奈川県横須賀市生まれ。舞踏グループである「山海塾」主宰・設立者(1975年)。「動く彫刻」などと称えられ、徹底的な美意識を貫きながら髪の毛を剃った全身白塗りの姿で「重力との対話」とされる舞踏パフォーマンスを披露した。一方で、トヨタ・コレオグラフィー・アワード審査委員長、バニョレ国際振付コンクール審査委員長などの要職も歴任。紫綬褒章、フランス芸術文化勲章(シュヴァリエ章・コマンドール章)受章者。

大駱駝艦(らくだかん)の創設参画などを経て、1975年に創設した山海塾では、フランスの首都パリの市立劇場を拠点として定期的に新作を発表。さらにはこれまでに世界48ヵ国で上演を続けてきた。主な作品に、「金柑少年」「アマガツ頌」「砂紀」「処理場」「熱の型」「縄文頌」「しじま」「常に揺れている場の中で – ゆらぎ」「そっと触れられた表面 – おもて」「ゆるやかな振動と動揺のうちに – ひよめき」「遥か彼方からの – ひびき」「金柑少年」「時のなかの時 – とき」「仮想の庭 – うつり」「降りくるもののなかで – とばり」など、多数。そのほか、「三人姉妹」「Lady SARASHINA」など、オペラの演出も手掛けてきた。著書に、「重力との対話」などがある。

主な受賞歴に、ローレンス・オリヴィエ賞(最優秀新作ダンス作品賞)、フランス批評家協会賞(最優秀賞)、舞踊批評家協会賞、芸術選奨文部科学大臣賞、朝日舞台芸術賞グランプリなどがある。

死因は、心不全であった。74歳。7年ほど前に下咽頭癌に罹っていることが発覚し、闘病生活を送りながら活動を続けていた。死去の事実は、亡くなって6日ほどが経過してから明らかとなった。

タイトルとURLをコピーしました