電子工学者・技術者・発明家(アメリカ)。データの記憶に使用する半導体メモリの一種であるDRAM(Dynamic Random Access Memory)を発明したことで有名。なお、「ロバート・ヒース・デナード」とフルネームで表記されることも多い。
1932年、アメリカ合衆国テキサス州の中央部北東に位置するカウフマン郡テレル出身。テキサス州ダラスに本部を置く南メソジスト大学にて電子工学の学士号および修士号を、ペンシルベニア州ピッツバーグに本部を置くカーネギー工科大学(現在のカーネギーメロン大学)にて博士号を取得。1958年に世界的な大企業である「ビッグブルー」ことIBMに入社し、1960年代後半に同社トーマス・J・ワトソン研究所にてDRAMを発明。微細なシリコンチップの活用により低コスト化と高速化、さらには省電力化までをも実現し、その後、データ容量が飛躍的に向上する道を開いた。以後、DRAMはPCやスマートフォンなどに欠かせないパーツとなっている。
主な受賞歴に、電気電子工学の世界において卓越した業績を残した者に贈られる「エジソンメダル」を始め、ハーヴェイ賞、アメリカ国家技術賞、C&C賞、ベンジャミン・フランクリン・メダル、京都賞(先端技術部門)、アメリカ科学アカデミー賞(産業応用部門)、チャールズ・スターク・ドレイパー賞、IEEE栄誉賞など、多数。
アメリカ合衆国ニューヨーク州にある病院にて死去。死因は、細菌感染症であった。91歳。死去の事実は、亡くなって3週間以上が経過してから、ニューヨーク・タイムズ紙などによって報じられた。