中尾彬

(なかおあきら)
俳優・タレント。数々のテレビドラマや映画に出演したほか、近年は情報番組やバラエティ番組などでコメンテーターとして活躍する姿も目立っていた。女優である池波志乃の夫。同じく女優である茅島成美の元夫。スカーフやマフラーを首に巻き、独特のねじり方でネクタイのように見せる、通称「ねじねじ」がトレードマークだった。

1942年、千葉県木更津市生まれ。東京都小平市に本部を置く武蔵野美術大学に在学中の1962年、日活ニューフェイス第5期生に合格し、俳優としての道を歩み始める。その後、手掛けていた絵画を学ぶためにフランスに留学するも1964年に帰国し、劇団民藝に入団。中平康が監督を務め、加賀まりこが主役を演じた映画「月曜日のユカ」にて銀幕デビューを果たした。

以後、数々の映画に出演する傍ら、テレビドラマでも活躍するようになり、1978年からテレビ朝日系列で放送されていた時代劇「暴れん坊将軍」での尾張藩主・徳川宗春役で特に注目を集めるようになった。

私生活では、1度の離婚を経て、1978年に女優である池波志乃と再婚。おしどり夫婦として知られ、2人で絵画展を開くなどしたほか、テレビCMやバラエティー番組などでたびたび共演を果たした。

2007年には急性肺炎と横紋筋融解症によって緊急入院。絶対安静の状態が続いたが、妻である池波志乃の献身的な看護もあって見事に復帰。2023年11月には故郷である千葉県木更津市のPR大使に再任し、報道陣の前に元気な姿を見せていた。2024年に入り、目に見えて体力が低下してはいたものの、ゴールデンウィークにはCM撮影や雑誌の取材などをこなしていたという。

出演した主な映画には、デビュー作である上述の「月曜日のユカ」を始め、「太陽西から昇る」「明日は咲こう花咲こう」「赤頭巾ちゃん気をつけて」「日本の黒幕」「嵐を呼ぶ男」「バロー・ギャングBC」「首領になった男」「ミンボーの女」「七人のおたく」「ゴジラ(シリーズ)」「首領を殺った男」「ヤンキー烈風隊」「湘南純愛組!(シリーズ)」「バブルと寝た女たち」「極道の妻たち(シリーズ)」「木更津キャッツアイ」「アキレスと亀」「龍三と七人の子分たち」「アウトレイジ・ビヨンド」「翔んで埼玉」「ヒロイン失格」「任侠学園」「時には昔の話を」など、多数。

出演したテレビドラマには、上述した「暴れん坊将軍」のほか、「竜馬がゆく」「義経」「三匹の侍」「ザ・ガードマン」「銭形平次」「特別機動捜査隊」「水戸黄門」「非情のライセンス」「夜明けの刑事」「Gメン’75」「俺たちの旅」「いろはの゛い”」「桃太郎侍」「東京メグレ警視(シリーズ)」「太陽にほえろ!」「冬の祝婚歌」「わが青春のブルース」「江戸の用心棒」「おりんさん」「禁じられたマリコ」「アリエスの乙女たち」「このこ誰の子?」「武田信玄」「刑事貴族3」「鬼平犯科帳」「夜に抱かれて」「横浜心中」「家政婦は見た!」「GTO」「20歳の結婚」「あんみつ姫2」「使命と魂のリミット」「ドクターX 〜 外科医・大門未知子 〜」「下町ロケット」「法医学教室の事件ファイル」「BG 〜 身辺警護人 〜」「名探偵・明智小五郎」など、こちらも多数。

バラエティ番組や情報番組では、「グッド!モーニング」「ちちんぷいぷい」「愛する二人別れる二人」「ダウンタウンDX」「おウチに帰ろう!」「まかないメシ食べまくり!!」「ジェネレーション天国」「オールスター感謝祭」「HAMASHO」「びっくり法律旅行社」「ぽかぽか」など。

そのほか、ドキュメンタリー番組、テレビCMなどへの出演も多数。また、声優として、「郵便配達は二度ベルを鳴らす」「カンフー・パンダ」など、海外映画における吹き替えも多数担当した。

受賞歴に、スカパー!アダルト放送大賞(功労賞)、東京スポーツ映画大賞(助演男優賞)、Men’s Beautyアワード(Beautyライフスタイル部門)などがある。

東京都内にある自宅にて死去。心不全のため。81歳。最後は妻である池波志乃が看取ったという。なお、死去の事実は亡くなってから6日後となる5月22日に公表された。

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