白石かずこ

(しらいしかずこ)
詩人・翻訳家。日本における女性詩人のパイオニアとして、個性的な朗読パフォーマンスや独創的な作品で世界的にも評価が高い。女優・料理研究家である白石奈緒美の姉。映画監督である篠田正浩の元妻。紫綬褒章受章者。

1931年、カナダ有数の世界都市バンクーバーに生まれ、7歳まで同地にて過ごす。帰国後、10代から詩作に没頭し始め、早稲田大学第一文学部在学中の1951年に第1詩集である「卵のふる街」を発表した。以後、寺山修司など著名な歌人とも交流を深め、1970年には「聖なる淫者の季節」にて、「詩壇の芥川賞」とも呼ばれる日本現代詩人会主催のH氏賞を受賞。アメリカの詩人・活動家であるアレン・ギンズバーグからも影響を受け、世界的な詩人であるケネス・レクスロスからは「日本のアレン・ギンズバーグ」とも評された。

主な著作に、上述した「卵のふる街」「聖なる淫者の季節」を始め、「虎の遊戯」「ある日、トツゼン恋が」「男性捕獲法」「愛たちけものたち神たち」「恋人たちよこんにちは」「青春のハイエナたちへの手紙」「1セントの花びら」「わたしの天気予報」「わたしの中のカルメン」「動物詩集」「聖なる淫者の秋」「愛の行動学」「味噌汁と六本のストロー」「アメリカン・ブラック・ジャーニー」「やまのこのぶのたんけん」「スペースへ漕ぎだすものたち」「Jazzに生きる」「風そよぎ、聖なる淫者」「大人の恋をしてみませんか」「ザ・ラブレター」「大人の恋を知りはじめたあなたに」「火の眼をした男」「砂族からの手紙」「砂族」「ふれなま・ふれもん・ふるむん」「風景が唄う」「現れるものたちをして」「ロバにのり、杜甫の村へゆく」「羊たちの午后」「浮遊する母、都市」「満月のランニング」「黒い羊の物語」「詩の風景・詩人の肖像」などがある。

翻訳作品には、「空がレースにみえるとき」(エリノア・L・ホロウィッツ)、「大きなにじへび」(ディック・ラウジィ)、「ヴィーナスの鏡」(フェデリコ・フェリーニ、フランソワーズ・サガン)、「ハイワサのちいさかったころ」(ヘンリー・ワズワース・ロングフェロー)、「窓の下で」(ケイト・グリーナウェイ)、「ぼくを抱きしめて」(パティ・ストレン)、「おばあちゃんのアップルパイ」(リンジイ・ガーディナー、ローラ・ラングストン)など。

主な受賞歴に、上述したH氏賞のほか、読売文学賞、歴程賞、高見順賞、晩翠賞、無限賞、藤村記念歴程賞、スメデレボの金の鍵賞(セルビア)など、多数。

東京都にある自宅にて死去。死因は、心不全であった。93歳。

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