アラン・ドロン

俳優(フランス)。類まれなる美貌を有したハンサム俳優として世界的な人気を誇る。

1935年、フランス共和国のパリ郊外にあるオー=ド=セーヌ県ソー生まれ。10代のときには自ら志願して海軍へ従軍、インドシナ戦争にも参加した。帰国後、パリ歓楽街での暮らしなどを経て、1957年に女優であるブリジット・オベールよりその美貌を評価され、それをきっかけとしてカンヌ国際映画祭を訪れた際にエージェントのスカウトを受ける。その後、フランス出身の映画監督であるイヴ・アレグレの作品「女が事件にからむ時」にて銀幕デビューを果たした。以後は娯楽映画から芸術映画まで数々の名作に出演するようになり、「世紀の二枚目」という異名を取るほどの人気を獲得。伝説的な映画スターへと成長した。

主な出演作には、上述したデビュー作「女が事件にからむ時」を始め、ルネ・クレマンが監督を務めた1960年の犯罪映画「太陽がいっぱい」や、アンリ・ヴェルヌイユが監督を務め、ミッシェル・オーディアールらが脚本を手掛けた1963年のケイパー映画「地下室のメロディー」などが特に有名。そのほか、「黙って抱いて」「お嬢さん、お手やわらかに!」「学生たちの道」「生きる歓び」「若者のすべて」「素晴らしき恋人たち」「太陽はひとりぼっち」「危険がいっぱい」「黒いチューリップ」「山猫」「黄色いロールス・ロイス」「名誉と栄光のためでなく」「泥棒を消せ」「テキサス」「サムライ」「悪魔のようなあなた」「太陽が知っている」「あの胸にもういちど」「世にも怪奇な物語」「ジェフ」「ボルサリーノ」「シシリアン」「さらば友よ」「もういちど愛して」「レッド・サン」「暗殺者のメロディ」「リスボン特急」「ビッグ・ガン」「暗黒街のふたり」「スコルピオ」「愛人関係」「アラン・ドロンのゾロ」「ブーメランのように」「パリの灯は遠く」「友よ静かに死ね」「エアポート’80」「テヘラン43」「ナイトヒート」「チェイサー」「鷹」「危険なささやき」「復讐のビッグガン」「カサノヴァ最後の恋」「ハーフ・ア・チャンス」「百一夜」「アラン・ドロンの刑事フランク・リーヴァ(テレビシリーズ)」「アラン・ドロンの刑事物語(テレビシリーズ)」など、枚挙に暇がない。

主な受賞歴に、ダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞(特別賞)、セザール賞(最優秀男優賞)、ベルリン国際映画祭・名誉金熊賞、カンヌ国際映画祭・名誉パルムドールなどがある。ゴールデングローブ賞(有望若手男優賞)など、ノミネートも多数。

また、自宅にて所持許可のない拳銃72丁や3,000発以上の弾薬が発見されたり、ボディガードだったステファン・マルコヴィッチが射殺死体として発見されたりするなど、エピソードにも事欠かない俳優であった。

フランス・ロワレ県ドゥシーにある自宅にて死去。死因などの詳しい情報は明らかになっていない。88歳。訃報は、3人の子息が発表し、フランスメディアによって大々的に報じられた。

タイトルとURLをコピーしました