鹿嶌武臣

(かしまたけおみ)
歌手。童謡の「手のひらを太陽に」や「ちいさい秋みつけた」などの作品により国民的人気を博した男性コーラスグループ「ボニージャックス」のメンバー(バリトン担当)として知られ、「トラさん」の愛称で親しまれた。なお、「鹿島武臣」と表記されることも多い。

1934年、京都府舞鶴市生まれ。早稲田大学グリークラブに所属していたメンバー4人で、1958年に「ボニージャックス」を結成。その歌声が絶賛され、同年末にプロデビューを果たす。幅広いレパートリーがあることから「歌の伝道師」という異名を取り、「ダークダックス」や「デューク・エイセス」とともに日本の「3大コーラスグループ」の1つとして幅広い層から支持を獲得。NHK(日本放送協会)が主催する年末恒例の大型歌番組「紅白歌合戦」には、1963年から1965年にかけて3年連続で出場した。

「ボニージャックス」としての代表的な楽曲は、上述した「手のひらを太陽に」や「ちいさい秋みつけた」を始め、「帰れソレントへ」「パジャマでおじゃま」「はるかな友に」「北帰行」「ギララのロック」「元気のでる歌」「一週間」「月光仮面の歌」「アトムズマーチ」「宇宙船地球号のマーチ」「未来へつづくポンキッキ」など、多数。

発表したアルバムには、「日本の民謡」「通りすぎた愛の日に」「世界のメルヘンを歌う」「コーヒーカップの海」「走れ!!うたの超特急」「オホーツクの海」「旅情」「ク・リ・ス・マ・ス」「ボニーのドレミファ音楽館」「世界のうたをうたう」「歌・昭和のあけぼの」「ひとつふたつかぞえて」「空とぶうさぎ」「おやじの舟歌」「そして葉桜のとき – ボニージャックスこころのうた」などがある。

埼玉県さいたま市にある病院にて死去。死因は、脳幹出血であった。90歳。死去の事実は、当人が所属するNPO法人「日本国際童謡館」の理事長である高田真理氏への取材によって明らかとなった。かつては顎の癌を患ったことで歌はおろか話すことすら困難な時期もあったが、懸命なリハビリと前向きな性格で精力的に仕事をこなしていた。7月に開催された「彩の国さいたま芸術劇場」でのリサイタル後に体調を崩し、入院していたという。

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