(にしおかんじ)
評論家。ドイツ文学者として、ショーペンハウアーやニーチェを始めとした19世紀ドイツ思想史研究における第一人者であることでも知られている。産経新聞「正論」メンバーや、東京都調布市に本部を構える電気通信大学の名誉教授も務めていた。瑞宝中綬章受章者。
1935年、東京府(現在の東京都)生まれ。東京大学を卒業し、同大学大学院を修了後、静岡大学の講師などを経て、1964年に電気通信大学の助教授に就任。1975年に同大学教授となった。第二次世界大戦における日本とドイツの戦争責任を同一視し、戦勝国が敗戦国を裁いた東京裁判の不当性を訴えるなど、保守の立場から様々な議論を展開。1994年には、フジサンケイグループが主催する正論大賞を受賞した。執筆活動も積極的に行い、数々の著書を発表する傍らで、日本の近現代史をネガティブに言及する自虐史観を是正し、教科書の正常化を目指す「新しい歴史教科書をつくる会」の初代会長といった要職も務めた。
著書(編著・共著を含む)に、「ヨーロッパの個人主義」「ヨーロッパ像の転換」「情熱を喪った光景」「ニーチェとの対話」「日本の教育・ドイツの教育」「行為する思索」「日本の不安 – 世界史の転機に考えること」「異なる悲劇 – 日本とドイツ」「全体主義の呪い」「日本の孤独」「確信の喪失」「立ちすくむ日本」「沈黙する歴史」「国民の歴史」「現代について」「歴史と常識」「私は毎日こんな事を考えている」「日本の根本問題」「皇太子さまへのご忠言」「GHQ焚書図書開封(シリーズ)」「同盟国アメリカに日本の戦争の意義を説く時がきた」「あなたは自由か」「保守の真贋」「日本の希望」「日本はアメリカに民主主義を教えよう!」「国民の油断」「思想の出現」「ドイツの言語文化」「皇室問題と脱原発」「日本および日本の課題」「地球日本史」「ドイツ文化の基底」「すべての18歳に奉仕義務を」「ニーチェを知る事典」「中国の黒いワナ」「ぼくらの核武装論」など、多数。2024年に内閣総理大臣となった石破茂氏との共著「坐シテ死セズ」も2003年に刊行されている。
西尾幹二 死因
東京都にある病院にて死去。死因は、老衰であった。89歳。