(ふゆきとおる)
作曲家・編曲家。本名である「蒔田尚昊」(まいたしょうこう)の名義でも活動していた。昭和時代以降に人気を博した特撮テレビ番組「ウルトラセブン」や「帰ってきたウルトラマン」などの音楽を手掛けたことで有名。女優である岡本舞の父。
1935年、旧満州国の首都新京(現在の中国東北部)生まれ。14歳のときに母親の故郷である広島に移り、広島県広島市に本部を構えていたエリザベト短期大学を卒業後、ラジオ東京(現在のTBS)への勤務などを経て東京都立川市にある国立音楽大学に編入。以後、合唱曲や宗教曲、テレビや映画のテーマ曲など、数々の音楽を生み出した。特に、1967年に放送開始した「ウルトラセブン」では、印象的な冒頭フレーズ「セブン~セブン~セブン~♪」で子ども世代から絶大なる人気を博したほか、「帰ってきたウルトラマン」では、のちのウルトラシリーズの音楽にも影響を与える防衛チーム出撃時のBGMが話題となった。なお、テレビや映画の音楽を担当するときは「冬木透」の名義を用いるが、それ以外は上述の通り本名の「蒔田尚昊」で活動することも多かった。
担当したテレビ音楽に、デビュー作となる「鞍馬天狗」や、上述した「ウルトラセブン」「帰ってきたウルトラマン」を始めとした数々のウルトラマンシリーズを始め、「ただいま11人」「いろはにほへと」「レモンのような女」「ここに泉あり」「ファイヤーマン」「悲しみよこんにちは」「恐竜探険隊ボーンフリー」「牧場の少女カトリ」「コボちゃん」「それ行け!カッチン」「恐竜探険隊ボーンフリー」「鳩子の海」「妖術武芸帳」などがある。
映画音楽では、「燃える男・長島茂雄 – 栄光の背番号3」「曼陀羅」「ホームカミング」「大決戦!超ウルトラ8兄弟」など。
オーケストラのための曲や合唱曲、歌曲などでは、「無伴奏チェロソナタ」「ピアノとオーケストラのための協奏的小品」「ピアノコンチェルティーノ かごめかごめ」「コンチェルティーノ ずいずいずっころばし」「フルートと打楽器のための封印の書」「アンデルセン組曲」「女声合唱とピアノのための組曲 冬のマリア」「智恵子抄」「ガリラヤの風かおる丘で」などがある。
そのほか、芝浦工業大学中学校・高等学校、東京都立日野台高等学校、ノートルダム清心中学校・高等学校などの校歌や、「キリンビール(21世紀ビール)」「ナショナル掃除機(隼)」といったCM曲なども手掛けた。
冬木透 死因
東京都内にある病院にて死去。死因は、誤嚥性肺炎であった。89歳。