元体操競技選手(ハンガリー)。世界最高齢のオリンピック金メダリストとして有名。女子体操のハンガリー代表選手として、1952年のヘルシンキ大会、および1956年のメルボルン大会の両オリンピックで計10個(金メダル5個、銀メダル3個、銅メダル2個)のメダルを獲得するなど、世界的に活躍した。なお、名前は「ケレティ・アグネシュ」、あるいはインド・ヨーロッパ語族の慣習に従い「名・姓」の順で「アーグネシュ・ケレティ」「アグネシュ・ケレティ」と表記されることもある。
1921年、ハンガリー王国(現在のハンガリー)の首都ブダペストでユダヤ系の家庭に生まれ、幼少時代から体操を始める。16歳のときにハンガリーの全国体操競技会で優勝するなど早くも頭角を現し、1938年に代表入り。しかしながら、第二次世界大戦のためにオリンピックが中止となり、ナチス・ドイツによる迫害から身をひそめるなどの厳しい体験を強いられ、体操どころか生き延びるのがやっとの生活を強いられた。終戦後、1948年のロンドンオリンピック代表に選出されたものの、怪我(右足首靭帯断裂)のために結局出場は叶わず。続く1952年のヘルシンキオリンピックでようやく出場が叶い、さらには1956年のメルボルンオリンピックでも代表に選ばれ、これまでのうっ憤を晴らすかのような輝かしい成績を残したのは上述の通り。これらの功績が評価され、81歳となる2002年には国際体操殿堂入りを果たしている。
ケレティ・アーグネシュ 死因
ハンガリー・ブダペストの病院にて死去。死因などの詳細は公表されていないが、病気のためと思われる。103歳。2024年末より、肺炎による心不全および呼吸困難のため入院していた。死去の事実は、ロイター通信などの報道により明らかとなった。