(しのだまさひろ)
映画監督。女優である岩下志麻の夫。数々の映画でメガホンを握ったほか、早稲田大学特命教授、日本中国文化交流協会代表理事、株式会社表現社代表取締役、城西国際大学メディア学部客員教授などの肩書も持つ。
1931年、岐阜県生まれ。早稲田大学在学中には駅伝のランナーとして活躍し、卒業後の1953年に松竹に入社。助監督を経て、「恋の片道切符」で監督デビューを果たし、2作目となる「乾いた湖」で大きな注目を集める。以後、多くの作品で高い評価を受け、吉田喜重や大島渚らとともに「松竹ヌーベルバーグの旗手」と称された。監督作品の1つである1984年公開の映画「瀬戸内少年野球団」は、女優であった夏目雅子の遺作となったことでも知られている。その活躍の場は日本国内に留まらず、海外でも数々の賞を受賞。
監督を務めた主な映画作品に、上述した「恋の片道切符」「乾いた湖」「瀬戸内少年野球団」のほか、「三味線とオートバイ」「美しさと哀しみと」「心中天網島」「異聞猿飛佐助」「はなれ瞽女おりん」「少年時代」「舞姫」「鑓の権三」「瀬戸内ムーンライト・セレナーデ」「写楽」「少年時代」「スパイ・ゾルゲ」など、多数。
著書に、「エイゼンシュテイン」「闇の中の安息」「駈けぬける風景」「私が生きたふたつの日本」「河原者ノススメ」「卑弥呼、衆を惑わす」「阿久悠のいた時代」「小津安二郎を聞く」「アイドルはどこから」など。
主な受賞歴に、キネマ旬報ベストテン(監督賞・作品賞)、毎日映画コンクール(監督賞・作品賞)、アジア太平洋映画祭(監督賞)、ベルリン国際映画祭(銀熊賞(芸術貢献賞))、日本アカデミー賞(編集賞・監督賞・作品賞)、泉鏡花文学賞、富川国際ファンタスティック映画祭(監督賞)など、多数。
篠田正浩 死因
死因は、肺炎であった。94歳。死去の事実は所属事務所により発表された。また、妻である岩下志麻が東京都内で予定していた映画の舞台挨拶は、本人のショックが大きいために中止になった。