（なかむらきちえもん）
歌舞伎役者・俳優。重要無形文化財保持者（人間国宝）の1人。文化功労者。歌舞伎を始め、文芸・演劇・美術など、芸術におけるあらゆる分野で優秀な実績を残した人物のための特別機関「日本芸術院」の会員。旭日重光章受章者。
歌舞伎の舞台で天賦の才を感じさせる堂々たる演技を披露したほか、テレビドラマや映画などにおいても幅広い活躍を見せた。一方で、関西学院大学客員教授、文部科学省・中央教育審議会委員なども歴任。
歌舞伎での当たり役に、「勧進帳」（弁慶）、「極付幡随長兵衛」（幡随院長兵衛）、「梶原平三誉石切」（梶原平三）、「籠釣瓶花街酔醒」（佐野次郎左衛門）、「絵本太功記」（武智光秀）、「祇園祭礼信仰記金閣寺」（松永大膳）、「松浦の太鼓」（松浦鎮信公）など、多数。
出演したテレビドラマには、「大助捕物帖」「野菊の墓」「忠臣蔵の人々」「くちづけ」「家康無情」「初恋物語」「おーい！わが家」「約束」「文五捕物絵図」「鬼平犯科帳」「すぎし去年」「斬り捨て御免！」「武蔵坊弁慶」「大忠臣蔵」「荒木又右衛門 – 決戦・鍵屋の辻」「忠臣蔵 – 決断の時」「阿部一族」「忠臣蔵 – 風の巻・雲の巻」などがある。
出演した映画には、「夜の鼓」「敵は本能寺にあり」「藪の中の黒猫」「心中天網島」「お吟さま」「利休」「鬼平犯科帳（劇場版）」「わが心の歌舞伎座」「柘榴坂の仇討」「笛吹川」「あゝ海軍」など。
また、数々のバラエティ番組や情報番組、クイズ番組、教養番組などでも活躍した。その一部に、「きょうの料理」「スター千一夜」「連想ゲーム」「スター爆笑Q＆A」「わくわく動物ランドスペシャル」「新世界紀行」「新春スターかくし芸大会」「なるほど！ザ・春の祭典スペシャル」「FNS大感謝祭」「漢詩紀行」「笑っていいとも！（テレフォンショッキングコーナー）」「スタジオパークからこんにちは」「ためしてガッテン」「空海の風景」「ウチくる！？」「誰だって波乱爆笑」「にじいろジーン」「ぴったんこカン・カン」「人生最高レストラン」「情報ライブ・ミヤネ屋」「Mr. サンデー」などがある。
主な受賞歴に、日本アカデミー賞（優秀主演男優賞）、毎日演劇賞（演技特別賞）、浅草芸能大賞、芸術選奨新人賞、松尾芸能賞（大賞）、橋田賞（特別賞）、芸術祭賞、日本映画批評家大賞（ゴールデングローリー賞）、毎日芸術賞、日本放送協会放送文化賞、伝統文化ポーラ賞（大賞）、読売演劇大賞（大賞、最優秀作品賞、選考委員特別賞）、坪内逍遥大賞など、枚挙に暇がない。
東京都内にある病院にて死去。死因は、心不全であった。77歳。8ヵ月程前に、体調不良を訴えて倒れ、病院に緊急搬送されていた。以後、一度も意識が回復していないとの情報もあるが、詳細は不明。
