アリス・マンロー

作家・小説家(カナダ)。「短編小説の名手」としてその名を世界に轟かせている。2013年にはノーベル賞(文学賞)も受賞した。

1931年、カナダ・オンタリオ州西部にあるヒューロン郡・ウィンガムにて生まれ、オンタリオ州ロンドン市に本部を置く州立大学「ウェスタンオンタリオ大学」にて学ぶ。10代の頃から執筆活動を始め、1950年に発表した小説が好評を博した。その後、1951年に大学を中退して結婚、図書館への勤務などを経て本格的に執筆活動を開始。1968年に発表した短編集「ピアノ・レッスン」(原題:「Dance of the Happy Shades」)がカナダ総督文学賞を獲得するなど30代後半にして頭角を現し始め、以後、複数回に渡って同賞を受賞した。当初より短編小説に的を絞って作品を発表していたが、理由は子供が生まれ、執筆と多忙な育児を両立させるためだったという。その作品は、女性やアーティストが主人公となり、田舎町を舞台に日常生活の些細な出来事を描きながら、自らの人生を問いかけるような内容が多かった。

主な作品に、上述した「ピアノ・レッスン」に収録されている「ウォーカーブラザーズ・カウボーイ」「乗せてくれてありがとう」「死んだとき」「男の子と女の子」「イメージ」「仕事場」「日曜の午後」「赤いワンピース 」「ユトレヒト講和条約」などを始め、「チャドゥリーとフレミング」「バードン・バス」「ターキー・シーズン」「ミセズ・クロスとミセズ・キッド」「木星の月」「コケ」「ジェスとメリベス」「白いお菓子の山」「おかしな血筋」「エスキモー」「祈りの輪」「ジェスとメリベス」「子供たちは渡さない」「ジャカルタ」「変化が起こるまえ」「母の夢」「家に伝わる家具」「記憶に残っていること」「ポスト・アンド・ビーム」「クマが山を越えてきた」「チャンス」「トリック」「パワー」「沈黙」「林檎の木の下で」「ウェンロック・エッジ」「小説のように」「子供の遊び」「あまりに幸せ」「メイヴァリーを去る」「湖の見えるところで」「プライド」「ディア・ライフ」「声」「夜」「目」「列車」「コリー」などがある。

また、サラ・ポーリーが監督を務めた2007年の映画「アウェイ・フロム・ハー/君を想う」(原作:「クマが山を越えてきた」)など、映像化された作品も数多い。

カナダ東部にあるオンタリオ州ポートホープの施設にて死去。死因などの詳細は明らかになっていない。92歳。2009年に癌の治療を受けていることを公表したほか、晩年は認知症も患っていたという。

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