松村達雄

(まつむらたつお)
俳優。大学時代から演劇に親しみ、劇団を結成したりしながら舞台で活躍、その後、テレビドラマや映画にも数多く出演するようになった。独特な物言いとリアルな演技で存在感を示し、名バイプレイヤーとして重宝された。俳優の生活改善を図り、芸能界文化の向上に貢献することを目的とした日本で唯一の俳優生活協同組合「東京俳優生活協同組合」に所属。勲四等瑞宝章受章者。

黒澤明が監督を務めた1993年の東宝映画「まあだだよ」では、主役である内田百閒を演じ、日本アカデミー賞(優秀主演男優賞)を受賞した。その他の受賞歴に、日本アカデミー賞(会長特別賞)、橋田賞(特別賞)などがある。

また、山田洋次が原作・監督を務め、渥美清が主役の車寅次郎に扮した大ヒット映画「男はつらいよ(シリーズ)」(通称:寅さんシリーズ)において、2代目のおいちゃん(叔父・竜造役)を演じたことでも知られている。

出演したその他の主な映画には、「乙女の祈り」「七つの弾丸」「警視庁物語(シリーズ)」「ガス人間第一号」「サラリーマン目白三平(シリーズ)」「筑豊のこどもたち」「性生活の知恵」「駅前弁当」「駅前医院」「紅の空」「ニッポン無責任時代」「キングコング対ゴジラ」「夢で逢いましょ」「七人の刑事」「ぶらりぶらぶら物語」「江分利満氏の優雅な生活」「いいかげん馬鹿」「昨日のあいつ今日のおれ」「組織暴力」「秘剣破り」「どですかでん」「あゝ声なき友」「善人の条件」「二十四の瞳」「疑惑」「獄門島」「国会へ行こう!」「流れ板七人」「友情」「英二」「冷静と情熱のあいだ」「銃声」「雨あがる」「解夏(遺作)」などがある。

また、出演したテレビドラマには、「雑草の歌」「ダイヤル110番」「月光仮面」「あるぷす大将」「証言台の少女」「再起」「挽歌の季節」「剣豪秘伝」「事件記者」「トイレット部長」「最後の大本営発表」「刺客」「赤さび」「この道の行くてに」「子ばなれ」「恋人」「虹の城」「花の雨」「改札口」「妻のめざめ」「炎のオムレツ」「娘屋の話」「フツーの家族」「これが真実だ」「夫婦百景」「八日目の休日」「たった一度の逢いびき」「降霊」「西鶴物語」「若い季節」「夕もやのなか」「真実一路」「西陣の蝶」「あだこ」「判決」「大学生諸君!」「さよならはイヤよ!」「太閤記」「独眼竜政宗」「天と地と」「チコといっしょに」「光る海」「花嫁候補がやってきた」「泣いてたまるか」「ザ・ガードマン」「お嫁さん」「青春とはなんだ」「三四郎」「ひげとたんぽぽ」「水戸黄門」「肝っ玉かあさん」「泣かないで!かあちゃん」「おれは男だ!」「飛び出せ!青春」「燃える兄弟」「木枯し紋次郎 」「旅人異三郎」「時間ですよ」「白い地平線」「夜明けの刑事」「赤い疑惑」「赤い死線」「日本の戦後」「炎のカルテ」「大空港」「手錠をかけろ!」「愛を病む」「思えば遠くへ来たもんだ」「ひまわりの歌」「誰かが私を愛してる」「風の中のあいつ」「事件記者チャボ!」「奥さまの代理勤めます」「家族の物語」「系列」「同窓会」「ヒロシマ・原爆投下までの4か月」「南くんの恋人スペシャル」「アリよさらば」「憲法はまだか」「イグアナの娘」「天うらら」「古畑任三郎」「それからの日々」など、枚挙に暇がない。

さらに、「榎本武揚」といった舞台や、「どーもくん」などのテレビアニメ、「シャーロック・ホームズの冒険」など海外ドラマの吹き替え、「霧島酒造」といったテレビCM、「NHK紅白歌合戦」(第13回)のゲスト出演など、幅広く活躍した。

著書に、「のんびり行こうよ」「金はなくても ー 芝居と女と貧乏と」など。

病院にて死去。死因は、心不全であった。90歳。間質性肺炎に罹り、1週間程入院したのちに、退院する間近の急逝だった。

タイトルとURLをコピーしました