城山三郎

(しろやまさぶろう)
作家・小説家。主に現実の人物や企業、業界などがモデルとなってストーリーが展開し、経済事件や経済現象などがテーマとなる小説を指す「経済小説」のパイオニアとして知られている。その他にも、歴史小説から伝記小説、随筆(エッセイ)に至るまで、幅広いジャンルにおいて多数の名作を生み出した。

作家業に専念する前は、愛知学芸大学(現・愛知教育大学)の教官助手や専任講師を務めていた。

主な著作(長編小説)に、「黄金峡」「乗取り」「大義の末」「イチかバチか」「危険な椅子」「鈴木商店焼打ち事件」「盲人重役」「成算あり」「硫黄島に死す」「価格破壊」「零からの栄光」「落日燃ゆ」「雄気堂々
「百戦百勝」「官僚たちの夏」「臨3311に乗れ」「打出小槌町一番地」「毎日が日曜日」「素直な戦士たち」「男たちの好日」「秀吉と武吉」「勇者は語らず」「外食王の飢え」「もう、きみには頼まない」「気張る男」「部長の大晩年」「本当に生きた日」などがある。

また、短編集では、「着陸復航せよ」「社長室」「ある倒産」「鮮やかな男」「生命なき街」「真昼のワンマン・オフィス」「堂々たる打算」「イースト・リバーの蟹」など。

さらに、随筆(エッセイ)の分野では、「打たれ強く生きる」「わたしの情報日記」「勝つ経営」「人生余熱あり」「湘南・海光る窓」「静かに健やかに遠くまで」「屈託なく生きる」「仕事と人生」「この命、何をあくせく」「そうか、もう君はいないのか」「逆境を生きる」「どうせ、あちらへは手ぶらで行く」「よみがえる力は、どこに」など、多数。

共著・編著・対談集には、「人間学対談」「「男の生き方」四〇選」「男たちの流儀 誰に、何を学ぶか」「人生に二度読む本」「日米互いに何を学ぶか」「日本人への遺言」「城山三郎と久野収の「平和論」「歴史にみる実力者の条件」「プロフェッショナルの条件」「軽やかなヒーローたち」「「気骨」について」「失われた志」などがある。

数はそう多くないものの、テレビドラマの脚本も手掛けており、その作品には、「総会屋錦城」「サンド・ストーム」「開化新商法」「壁」「百分の三」「落日燃ゆ」などがある。

受賞歴に、文學界新人賞、文藝春秋読者賞、直木三十五賞、毎日出版文化賞、朝日賞、吉川英治文学賞、菊池寛賞などがある。なお、叙勲の受勲は辞退している。

神奈川県茅ケ崎市にある病院にて死去。死因は、間質性肺炎であった。79歳。ウイルス性肺炎に侵され、家族の意向によって最期は安楽措置が図られたという。

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