尾崎紀世彦

(おざききよひこ)
歌手。ソロのポップス歌手として活躍する前には、「ヒロ・ハワイアンズ」「ジミー時田とマウンテンプレイボーイズ」「ザ・ワンダース」など、数々のバンドやコーラスグループで活動していた。

顔の両サイドを占める立派なもみあげや、特に後年に多く生やすようになった貫禄のある口ヒゲやあごヒゲなどがトレードマーク。染み渡る歌唱力とダイナミックな声量、伸びやかなトーンなどで絶大なる人気を博し、「キーヨ」と呼ばれ親しまれた。

代表的な発表曲には、1971年の「また逢う日まで」や、1972年の「ふたりは若かった」、1987年の「サマー・ラブ」など、多数。そのほかのシングル曲に、「さよならをもう一度」「別れの夜明け」「雪が降る」「愛する人はひとり」「こころの炎燃やしただけで」「しのび逢い」「かがやける愛の日に」「愛こそすべて」「許しておくれ」「哀しみの追跡」「マイ・ウェイ」「テレーズ夫人」「五月のバラ」「明日への扉」「My Better Life」「愛だけあれば」「SWEET DREAM – くちづけはイヴの香り -」「燃えろ!ガリバーボーイ」「星女よ」「ふるさとの五月」「365回目の恋」「お嬢さんおてやわらかに(死去から10年後の2022年リリース)」などがある。そのほか、発表アルバムやベスト盤、参加作品は数え切れぬほど。

当然ながら音楽番組には多数の出演があり、NHKの年末恒例歌番組である「紅白歌合戦」には3度(1971年、1972年、1990年)の出場歴を誇る。出演したそのほかの歌番組には、「ミュージックフェア」「みんなのうた」「夜のヒットスタジオ」「NHK歌謡コンサート」「乾杯!トークそんぐ」「THE夜もヒッパレ」など、枚挙に暇がない。

また、テレビドラマやテレビアニメ(声の出演)でも活躍し、その作品には、「悪魔のようなあいつ」「華麗なる大泥棒!」「宇宙刑事シャリバン」「妻の卒業式」「空想科学世界ガリバーボーイ」「科学忍者隊ガッチャピン」などがある。

さらには映画の出演歴も多数。作品の一部を挙げると、「エスパイ」「ハイ・ティーン」「ハウス」「星くず兄弟の伝説」「彼のオートバイ、彼女の島」「釣りバカ日誌16」「メゾン・ド・ヒミコ」など。

数々のテレビCMにも出演し、お茶の間の興味・関心を誘った。一部を紹介すると、「スバル・レオーネ」(株式会社SUBARU)、「コカ・コーラ」(日本コカ・コーラ株式会社)、「グリコ牛乳」(グリコ乳業株式会社)、「アイリス」(大正製薬株式会社)、「ビーバーエアコン」(三菱重工業株式会社)、「ルック」(株式会社JTB)、「クリスマスケーキ」(株式会社不二家)、「青雲」(株式会社日本香堂)、「料亭のお茶漬け」(丸美屋食品工業株式会社)、「キリンビール」(キリンビール株式会社)などがある。

著書に、「ベーコン野外術」「尾崎紀世彦のすべて」など。

主な受賞歴には、日本レコード大賞(大賞、歌唱賞、特別功労賞)、ゴールデン・アロー賞(音楽賞)、ゴールデン・ミューズ賞、日本歌謡大賞(大賞、放送音楽賞)、東京音楽祭国内大会(歌唱賞、ゴールデンカナリー賞)、ベストドレッサー賞、古関裕而記念音楽祭銅賞など、多数。

東京都内にある病院にて死去。死因は、肝臓癌であった。69歳。1年以上前より闘病生活のために入院しており、公演予定だったコンサートが中止されるなど、ファンや関係者の間では心配が続いていた。

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