五味康祐

(ごみやすすけ)
作家・小説家。本名については諸説あり、当人の母校である明治大学の資料では「五味欣一」であるとされているが、「五味康祐」が本名であるという説や、「五味欣吾」であるという話もあり、明確ではない。

主に江戸時代前期の武士・旗本である柳生十兵衛などの剣豪を扱った歴史小説や時代小説で多くの作品を発表したことで知られている。ジャンルは、小説を始め、エッセイ、評論などと幅広い。

発表した主な小説作品には、デビュー作である「喪神」を始め、「柳生連也斎」「秘剣」「柳生武芸帳」「二人の武蔵」「乱世群盗伝」「風流使者」「うるさい妹たち」「指さしていふ・妻へ」「八百長人生論」「筒井白雲斎」「密偵ワサが来た」「剣術プロモーター」「斬るな彦斎」「無明斬り」「ザ・おんな刑事」「色は匂へど」「雨の日の二筒」「色がたり」「柳生天狗党」「小説長島茂雄」「スポーツマン一刀斎(シリーズ)」「薄桜記」「一刀斎忠臣蔵異聞」などがある。

そのほかの作品(評論・エッセイなど)では、「五味人相教室」「五味オーディオ教室」「五味マージャン大学」「一刀斎の観相学的おんな論」「いい音いい音楽」「西方の音」「川上哲治が泣いた」「天の声・西方の音」など。

没後に復刊した作品も多数あり、「真田残党奔る」「十二人の剣豪」「いろ暦四十八手」「ベートーヴェンと蓄音機」「神妙剣音無しの構え」「上意討ち」「兵法柳生新陰流」「柳生十兵衛八番勝負」などがある。

主な受賞歴に、芥川龍之介賞(1953年)などがある。なお、芥川賞はデビュー作「喪神」での受賞であるが、当作品は原稿用紙にして30枚程度と短編になっており、歴代の同賞受賞作品としては最も短いものとされている。また、大映株式会社によって映画化も果たした(タイトルは、「魔剣」)。

死因は、肺癌であった。58歳。

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