島田正吾

(しまだしょうご)
俳優。かつて存在した劇団「新国劇」に所属していた。紫綬褒章・勲四等旭日小綬章・フランス芸術文化勲章(シュバリエ章)受章者。東京都名誉都民。

1923年に明星商業学校(現・明星高等学校)を中退し、新国劇に参加。同劇団を率いていた澤田正二郎の亡きあと(1929年)、1987年の創立70周年を機に解散するまで、50年近くの長きに渡って主役級の大黒柱として運営を支えた。同劇団で一緒に活躍した辰巳柳太郎とは、良きライバルであったことが知られている。

その後、舞台に出演する傍ら、1951年に「夏祭三度笠」で銀幕デビューを果たし、以後、映画やテレビドラマでも活躍するようになる。また、1994年には、NHK総合テレビジョンの「金曜時代劇」として放送されたテレビドラマ「十時半睡事件帖」にて主役を務め、日本のテレビドラマ史上、主演俳優の最高齢記録(88歳9ヵ月)という金字塔を打ち立てた。

出演した主な舞台には、「瞼の母」「荒川の佐吉」「佃の渡し」「夜もすがら検校」「私の沓掛時次郎」「ビルマの竪琴」「王将」「風林火山」「天守物語」「玄宗皇帝と楊貴妃」などがある。

また、出演した主な映画には、上述した「夏祭三度笠」を始め、「武蔵と小次郎」「鞍馬天狗」「沓掛時次郎」「王将一代」「関の弥太ッぺ」「座頭市千両首」「日本のいちばん長い日」「若者よ挑戦せよ」「あゝ海軍」「トラ・トラ・トラ!」「暁の挑戦」「日本沈没」「ブルークリスマス」「八甲田山」「帝都物語」「櫂」「野菊の墓」「あげまん」「男はつらいよ 寅次郎の縁談」「天守物語」などがある。

さらに、出演した主なテレビドラマには、上述した「十時半睡事件帖」を始め、「姿三四郎」「太閤記」「国盗り物語」「勝海舟」「花のお江戸のすごい奴」「大忠臣蔵」「吉野太夫」「大岡越前」「水戸黄門」「子連れ狼」「大江戸捜査網」「ぶらり信兵衛 道場破り」「銭形平次」「雪姫隠密道中記」「芙蓉の人」「大激闘マッドポリス’80」「風よ、鈴鹿へ」「あにき」「ひらり」「火の玉婦長さん物語4」「棘・おんなの遺言状」などがある。

その他、株式会社伊藤園の飲料水、「お〜いお茶」のテレビCMなどでも活躍した。

受賞歴に、毎日演劇賞、芸術選奨文部大臣賞、松尾芸能賞演劇特別賞、菊田一夫演劇賞、長谷川伸賞、ギャラクシー賞(テレビ部門・個人賞)、菊池寛賞、大山康晴賞などがある。

死因は、脳梗塞であった。98歳。平成時代に入り、現役最高齢の俳優となっても衰えぬ意欲で精力的に活動し、100歳で新作を演じることを目指すと公言していたものの、叶わなかった。

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