加藤正夫

(かとうまさお)
囲碁棋士。名誉王座。「劔正」の号を持つ。旭日小綬章受章者。書家である加藤石泉の夫。

9歳から碁に親しみ、17歳で二段に昇格するなど、着々とキャリアを積む。若き時代には、「殺し屋」というあだ名を付けられるほど、力ずくの碁を打つことで知られていた。1976年、29歳で初タイトルとなる碁聖戦制覇。また、十段位を奪取する。1987年には、40歳にして「碁聖」「王座」「十段」「名人」の4冠を獲得、賞金ランキングで1位となる。1990年に8連覇していた「王座」を失うも、1993年に奪取。その後2002年には史上最年長の「本因坊」となるなど、活躍を続けた。また、日本棋院理事長などの要職も歴任した。通算成績は、1254勝663敗。

1976年から1990年まで14年6ヵ月の長きに渡り、「棋聖」「名人」「本因坊」「王座」「天元」「碁聖」「十段」の7大タイトルのうちいずれかを保持しており、これは日本囲碁界における最長記録となっている(「棋聖」のタイトルだけは保持したことがない)。また、「王座」は1979年・1980年・1982~1989年・1993年と、8連覇を含む通算11期(歴代1位)に及ぶ獲得回数を誇り、「名誉王座」の称号を手にしている。さらに、「十段」のタイトルにおいても、1976~1979年・1983年・1987年・1997年と通算7期の獲得回数を数え、歴代1位となっている。

門下生には、吉原由香里(旧姓・梅沢)、小山栄美、大森泰志らがいる。

著書に、「加藤囲碁道場」「殺し屋の戦法」「察元・烈元・因淑」「石の攻め方殺し方」「加藤正夫の闘いの極意」などがある。

死因は、脳梗塞であった。57歳。

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