(よしむらあきら)
作家・小説家。同じく作家・小説家である津村節子の夫。芸術家のために設置されている国立アカデミーかつ文化庁の特別機関である「日本芸術院」会員。記録文学や歴史文学における第一人者として知られている。現場への取材や関係者の証言、資料などを綿密に検討し、緻密に構成された長編作品に味がある。都民文化栄誉章・旭日中綬章受章者。
主な著作に、「密会」「星への旅」「ふぉん・しいほるとの娘」「冷い夏、熱い夏」「天狗争乱」「戦艦武蔵」「破獄」「高熱隧道」「空白の戦記」「めっちゃ医者伝」「背中の勲章」「関東大震災」「下弦の月」「海軍乙事件」「漂流」「羆嵐」「赤い人」「遠い日の戦争」「ポーツマスの旗」「光る壁画」「破船」「間宮林蔵」「長英逃亡」「闇を裂く道」「万年筆の旅」「帰艦セズ」「海馬」「桜田門外ノ変」「幕府軍艦「回天」始末」「平家物語」「黒船」「ニコライ遭難」「彦九郎山河」「朱の丸御用船」「遠い幻影」「生麦事件」「アメリカ彦蔵」「わが心の小説家たち」「大黒屋光太夫」「見えない橋」「東京の戦争」「炎天」「真昼の花火」「わたしの取材余話」「七十五度目の長崎行き」「味を訪ねて」「履歴書代わりに」「人生の観察」「死顔」などがあり、膨大な数に上る。
また、その多くが原作として映像化されており、主な作品に、「密会」「魚影の群れ」「漂流」「闇にひらめく」「桜田門外ノ変」「蜜蜂乱舞」などの映画や、「一家の主」「ポーツマスの旗」「海も暮れきる」「遠い日の戦争」「最後の仇討」「光る壁画」「破獄」などのテレビドラマがある。
受賞歴に、1966年「星への旅」で選出された太宰治賞を始め、菊池寛賞、吉川英治文学賞、芸術選奨文部大臣賞、読売文学賞、文藝春秋読者賞、日本芸術院賞、毎日芸術賞、大佛次郎賞、荒川区区民栄誉賞など多数。なお、1997年に司馬遼太郎賞にも選ばれたが、これは辞退している。
自宅にて死去。死因は尊厳死、すなわち自らの尊厳で覚悟して選んだ死であるとされている。79歳。1年以上前に舌癌を発症し、検査によって膵臓癌にも罹患していることが判明した。その後、膵臓全摘手術を受け、自宅にて療養生活を続けていたが、長女に死ぬことを告げ、カテーテルポートや点滴の管を自ら抜いたという。

