三木卓

(みきたく)
詩人・作家・小説家・翻訳家。文芸・音楽・美術などの分野において優れた功績を残した人物を顕彰するための文化庁特別機関「日本芸術院」会員。紫綬褒章・旭日中綬章受章者。1973年、「鶸」(ひわ)で芥川賞を受賞したことで特に知られている。

幼少期を旧満州(中華人民共和国遼寧省南部の都市・大連)で過ごし、帰国後に静岡県立静岡高等学校を経て早稲田大学に入学。卒業後、日本読書新聞編集者や河出書房勤務などを経て、創作活動を開始した。

主な詩集作品に、「わがキディ・ランド」「東京午前三時」「子宮」「茶色の画帖」「肖像画」「十二の家の物語」「百八つものがたり」などがある。

小説作品では、上述した「鶸」を始め、「ミッドワイフの家」「われらアジアの子」「震える舌」「庭からきた声」「はるかな町」「かれらが走りぬけた日」「野いばらの衣」「ころぶはおへた」「海辺で」「日々のたわむれ」「水彩画の女たち」「午前中の少年」「惑星の午後に吹く風」「となりのひと」「となりの女」「ボディ・シャンプー」「野鹿のわたる吊橋」「理想の人生」「裸足と貝殻」「柴笛と地図」「錬金術師の帽子」「K」など、多数。

随筆・評論・児童文学などの分野でも幅広い著作があり、その作品には、「青春の休み時間」「東京微視的歩行」「遠くまで見える道」「降りたことのない駅」「マーク・トウェーン」「大原・里をあるく」「ファーブル」「海辺の博物誌」「日本の昆虫」「わが青春の詩人たち」「鎌倉日記」「蝶の小径」「雪の下の夢」「私の方丈記」「星のカンタータ」「時間の国のおじさん」「しらべにきたよ」「おつきさまになりたい」「ぽたぽた」「おおやさんはねこ」「パジャマくん」「えいっ」「コップの海」「はりがねネコ」「むしのうた」「イトウくん」などがある。

多くの絵本シリーズや児童書の翻訳も手掛けており、その作品は、「がまくんとかえるくん」「ながぐつをはいたねこ」「サクラの枝」「トラストDE」「ふたりはいっしょ」「ポケットのたからもの」「ふくろうくん」「カヌーはまんいん」「ふたりはいつも」「ふたりはきょうも」「せかいのはてってどこですか?」「ピーターのとおいみち」「ぼくのおじさん」「ぼくのきしゃ」「レモネードはいかが」「びっくりクリスマス」「3にんぐみはめいたんてい」「ローベルおじさんのねこのマザーグース」「ピーターのとおいみち」「しりたがりやのこぶたくん」「トム・ソーヤーの冒険」「てぶくろ」「ながれ星がはこんできたおはなし」「そういうきみがすき」「ゆきがやんだあとで・・・」「パンダのシズカくん」など、多数。

受賞歴に、上述した芥川賞を始め、日本芸術院賞(恩賜賞)、野間児童文芸賞、毎日芸術賞、読売文学賞、蓮如賞、芸術選奨、平林たい子賞、高見順賞、谷崎潤一郎賞、路傍の石文学賞、藤村記念歴程賞、伊藤整文学賞など、多数。

神奈川県鎌倉市にある自宅にて死去。死因は、老衰であった。88歳。死去の事実は、2週間程が経過してから明らかとなった。

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