徐京植

(ソ・キョンシク)
作家・文学者。東京都国分寺市に本拠を構える私立大学、東京経済大学の名誉教授。元立命館大学特任教授で、立命館大学コリア研究センター研究顧問なども務めた徐勝(ソ・スン)、および社会運動家・人権運動家である徐俊植(ソ・スンシク)の弟。

1951年、京都府京都市において在日朝鮮人2世として生まれる。1971年、韓国に留学していた約20名の在日韓国人らを北朝鮮のスパイであるとして中央情報部(KCIA)が逮捕した「学園浸透スパイ団事件」にて、2人の兄が逮捕され、長期収容されたという辛い経験を持つ。そのため、2人の救援運動を展開しながら、韓国の民主化活動に尽力した。

2009年、東京経済大学現代法学部の教授に就任。2021年、定年退職とともに名誉教授となる。そのほか、同大学の図書館長、全学共通教育センター長なども歴任した。

ディアスポラ(難民、離散者)をテーマとした著作で特に有名。主な著作(共著も含む)には、「皇民化政策から指紋押捺まで」「子どもの涙」「長くきびしい道のり」「私の西洋美術巡礼」「分断を生きる 「在日」を超えて」「プリーモ・レーヴィへの旅」「過ぎ去らない人々」「半難民の位置から」「秤にかけてはならない」「ディアスポラ紀行」「夜の時代に語るべきこと」「在日朝鮮人ってどんな人?」「植民地主義の暴力」「日本リベラル派の頽落」「詩の力」「二〇世紀を生きた朝鮮人」「石原都知事「三国人」発言の何が問題なのか」「ソウル – ベルリン玉突き書簡」「フクシマを歩いて」「「慰安婦」問題の現在」などがある。

受賞歴に、日本エッセイスト・クラブ賞など。

長野県茅野市にある自宅にて死去。死因などの詳細は明らかになっていない。72歳。循環器系の持病を抱えていたとされる。死去の事実は、著作を出版していた韓国の出版社である聯立書架が発表した。

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