寺尾常史

(てらおつねふみ)
元大相撲力士。錣山親方。現役時代は「寺尾」の四股名で人気を博し、引退後は井筒部屋(いづつべや)の部屋付き親方を経て、錣山部屋(しころやまべや)の師匠(親方)を務めていた。元関脇・鶴ケ嶺で、井筒親方を務めた鶴ヶ嶺昭男の息子。同じく大相撲力士で、鶴ノ富士(つるのふじ)の四股名で活躍した鶴嶺山宝一、および逆鉾(さかほこ)の四股名で活躍した元関脇である逆鉾昭廣の弟。

甘いルックスと、突っ張りや下手投げを駆使した勢いのある相撲ぶりで老若男女問わず幅広い支持を集め、幼少時代、外人に呼ばれた「a baby」を聞き間違えたという「アビ」や、長きに渡って活躍したことから付いたという「土俵の鉄人」といった呼び名で親しまれた。また、逆鉾と兄弟で同時関脇を達成するなど話題を振り撒き、同じく1963年(昭和38年)生まれの元大関・小錦や、元横綱・北勝海(現・八角親方)ら、他の人気力士と併せて「花の38(サンパチ)組」と呼ばれ、大相撲の人気拡大に大きく貢献した。

その「鉄人」ぶりは数字にも表れており、通算出場回数は1,795回で歴代4位、通算連続出場は1,359回で歴代7位、通算勝利数は860回で歴代10位など、数々の歴代上位記録を持つ。通算7回に上る金星(大乃国より3回、千代の富士・北勝海・貴乃花・武蔵丸より各1回)も記録している。

通算成績は、140場所に出場、860勝・938敗・58休。そのうち幕内では、93場所に出場、626勝・753敗・16休。十両優勝2回、技能賞1回、殊勲賞3回、敢闘賞3回など。

東京都内にある病院にて死去。死因は、後日「鬱血性心不全」であることが日本相撲協会により発表された。60歳。かねてより不整脈などの持病を抱えており、昨今は入退院を繰り返しながらリハビリを続けるなど療養生活を送っていたが、体調が急激に悪化したという。兄である元関脇・逆鉾の井筒親方によれば、現役時代の猛稽古によって心臓に負担がかかり、肥大気味であったことは間違いないとのこと。

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