田部光子

(たべみつこ)
画家・美術家。1957年、福岡を拠点に活動した前衛美術グループ「九州派」の旗揚げに参加し、主力メンバーとして活動していたことで有名。妊娠・出産といった女性に関する問題を扱うフェミニズム作品で知られ、代表作には妊娠からの女性解放をテーマとしたオブジェクト「人工胎盤」シリーズなどがある。

台湾に生まれ、第二次世界大戦後に福岡へ引き揚げ、福岡県立浮羽高等学校を卒業。以後、独学で絵画を学び、「福岡県美術展」に入選するなど頭角を現す。1988年、福岡市美術館にて展覧会「九州派展:反芸術プロジェクト」を開いたほか、2005年にひろしま美術館にて「りんごの秘密」、2013年に福岡市美術館にて「田部光子展 – 人生が芸術である」、2015年に福岡市美術館にて「九州派展」などを開催している。さらに2022年には、やはり福岡市美術館にて、初期作品から近作までを網羅した初の本格的回顧展「田部光子展 – 希望を捨てるわけにはいかない」が開催された。同回顧展では、これまでにあまり紹介されてこなかった1970年代から1980年代にかけての「九州女流画家展」時代の作品を含めて60点以上が展示され、発表当時はあまり評価されることのなかった作品群に対する再評価が進んだ。

著書に、「夢劫の人 – 石牟礼道子の世界」「受胎芸術」「着信人払い地球郵便局」「二千年の林檎 – 私の脱芸術論」などがある。作品集には、「MITSUKO TABE Recent Works」など。

死因などの詳細は不明。91歳。なお、死去の事実は、亡くなってから1ヶ月半ほどが経過した4月後半に明らかとなり、各種メディアにて報道された。

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