福島孝徳

(ふくしまたかのり)
医師(脳神経外科医)。「ゴッドハンド(神の手)」「天才脳外科医」「侍ドクター」「The Last Hope」などと呼ばれて称えられた、日本人における脳神経外科の第1人者。特に、脳腫瘍手術の画期的な手法である「鍵穴手術」(キーホールオペレーション)を考案した人物として有名。フランクフルト大学教授を始め、カロライナ脳神経研究所、カロリンスカ研究所、南カリフォルニア大学医療センター、ウェストバージニア大学、マルセイユ大学、デューク大学など、数々の大学や研究施設にて教授を務めた。そのほか、メイヨー・クリニック脳神経外科臨床・研究フェロー、ペンシルベニア医科大学アルゲーニ脳神経研究所頭蓋底手術センター部長、カロライナ頭蓋底手術センター所長など、数々の要職も歴任。

東京都に生まれ、東京大学医学部を卒業後、東京警察病院への勤務などを経て西ドイツに留学。脳神経外科医として本格的な歩みを開始する。48歳のときには、日本の医学界に疑問を覚えてアメリカに渡った。当初より臨床の現場に強いこだわりを持ち、独自の観点より最新手術の手法を考案。以後、驚異的なペースで手術を行いながら、多くの難手術を成功させてきた。その数は、30数年間に渡る外科医生活において毎年600人以上とされ、生涯通算では2万4,000件以上と言われている。父親がかつて神職に携わり、明治神宮の宮司であったことから、その息子として白足袋を履いて手術に臨むことでも知られている。

「ゴッドハンド」と呼ばれる所以である「鍵穴手術」は、頭部に小さな穴をあけた上で、顕微鏡を用いて患部の切除や縫合を行うというもの。超人的な技術であり、通常の開頭手術よりも患者の負担が大幅に軽減するとされている。世界中の医師や患者から絶大なる支持を獲得し、世界一の水準を誇ると言われるアメリカ合衆国の医療界からも最高レベルの賞賛を受けていた。

著書に、「闘いつづける力」「神の手の提言 – 日本医療に必要な改革」「脳外科医・奇跡の指先」「神の手を持つ男」「ラストホープ・福島孝徳」などがある。

また、「奇跡体験!アンビリバボー」「ありえへん∞世界」「世界なぜそこに日本人」「これが世界のスーパードクター」「ザ!世界仰天ニュース」「世界を変える100人の日本人!」「ガイアの夜明け」「情熱大陸」「主治医が見つかる診療所」「世界のブラックジャックを探せ!」など、数々のテレビ番組でも取り上げられ、休みもほとんど取らずに患者と向き合うそのスタンスや生き方が話題となった。

アメリカ合衆国にて死去。死因などの詳しい情報は明らかになっていない。81歳。死去の事実は、当人の公式サイトによって4日後に公表された。

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