桂由美

(かつらゆみ)
ファッションデザイナー・実業家。特に、ウエディングドレスを始めとしたブライダルファッションにおける第一人者として有名。

1930年、東京府南葛飾郡(現在の東京都江戸川区)生まれ。東京都千代田区に本部を置く共立女子大学を卒業後、母親が経営する洋裁学校の教員職を経て、1960年にフランス・パリへ留学。現地の婚礼事情などを視察したのち、1964年に帰国し、日本初となるブライダル専門店を東京都港区赤坂にオープン。和装による神前式が一般的だった当時の日本の結婚式においてウエディングドレスを広め、ブライダルファッションデザイナーとしての地位を確立した。1981年にはアメリカ・ニューヨークにて開催されたファッションショーにてマーメイドラインのシルエットを持つドレスを発表。「ユミライン」と呼ばれて人気を呼んだ。

1993年には、ローマ法王であるヨハネ・パウロ2世に祭服を献上したほか、1999年には東洋人として初めてイタリアファッション協会の正会員となった。さらに2003年からは春夏パリ・オートクチュールコレクションに参加し、数々の作品を発表。開催したファッションショーは、世界中で30を超える都市において、500回以上に及ぶとされる。

一方で、1965年より株式会社ユミカツラインターナショナルにてクリエイティブディレクターを務めてきたほか、株式会社桂由美ウエディングシステム社長、全米ブライダルコンサルタント協会名誉会員、アジアブライダル協会連合会会長、一般社団法人全日本ブライダル協会会長、NPO法人地域活性化支援センター理事、「日本女性の会」代表委員、「美しい日本の憲法をつくる国民の会」代表発起人、「皇室の伝統を守る国民の会」代表発起人などの要職を歴任。

また、「徹子の部屋」「たけしの誰でもピカソ」「グレートマザー物語」「ソロモンの王宮」「林先生の初耳学」「梅沢富美男のズバッと聞きます!」「爆報!THE フライデー」「チコちゃんに叱られる!」など、テレビ番組を中心に数々のメディアにも登場し、お茶の間の人気を博した。

主な著書に、「桂由美MAGIC」「桂由美The First Class Wedding」「世界基準の女になる!」「出会いとチャンスの軌跡」などがある。

主な受賞歴に、外務大臣表彰、文化庁長官表彰、新時代婚礼服飾文化賞(中国)、港区政功労者表彰、東京都功労者表彰、ベスト・プロデュース賞などがある。2023年には、東京都港区の名誉区民にも認定された。

死因などの詳細は不明。94歳。死去の事実は、株式会社ユミカツラインターナショナルの公式サイトにて発表された。1週間前まで、自身が経営するサロンにて接客を務めていたほか、亡くなる4日前には、テレビ朝日系列で放送されている人気トーク番組「徹子の部屋」の収録に臨んでいたという。2025年にはデザイナー活動60周年を迎える予定だったが、それを直前にして突然の訃報となってしまった。

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