吉野せい

(よしのせい)
作家・女性文筆家。福島県石城郡(現在の福島県いわき市)生まれ。詩人である三野混沌の元妻(死別)。

幼少時代から短歌を新聞や雑誌に投稿するなど文学に親しみながら育った。尋常高等小学校高等科を卒業後、小学校への勤務などを経て、詩人・児童文学者である山村暮鳥と知り合ったことでさらに文学にのめり込むようになる。1970年、50年近く連れ添った夫(上述した三野混沌)の死をきっかけに休んでいた執筆活動を再び開始し、夕刊紙への連載などを経て、「暮鳥と混沌」を刊行。1974年にも短編集「洟をたらした神」を刊行し、田村俊子賞および大宅壮一ノンフィクション賞を受賞した。

主な作品には、上述した「暮鳥と混沌」や「洟をたらした神」を始め、「道 – 吉野せい作品集」「吉野せい展図録 私は百姓女(生誕百年記念)」「土に書いた言葉 – 吉野せいアンソロジー」などがある。

当人のことを綴った他者による評伝作品も多く、「裸足の女・吉野せい」(山下多恵子)、「土と修羅・三野混沌と吉野せい」(新藤謙)、「メロスの群れ・評伝吉野せい」(小沢美智恵)などがある。

福島県いわき市にある病院にて死去。死因などの詳細は不明。78歳。亡くなった翌年の1978年には、新人の優れた文学作品を顕彰し、文化振興に資することを目的として、いわき市により「吉野せい賞」が創設された。

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