美空ひばり

(みそらひばり)
歌手・女優・実業家。9歳にしてデビューを果たし、生まれ持った歌唱力で人々を魅了。天才少女として一気にスターダムにのし上がって以来、数々のヒット曲と共に映画や舞台などでも類まれなる存在感を示し続け、昭和日本を代表する伝説的な歌手として今なお語り継がれる人物。「お嬢」(おじょう)の愛称で親しまれたほか、「歌謡界の女王」という異名を取った。歌手である佐藤勢津子、および俳優・歌手・芸能プロモーターであるかとう哲也、さらには俳優・歌手である香山武彦の姉。実業家・音楽プロデューサー・芸能プロモーターである加藤和也の母。国民栄誉賞受賞者(没後)。紺綬褒章・日本赤十字社金色有功章・青森りんご勲章受章者。

代表的な楽曲には、現在でもたびたび他のアーティストなどによって歌い続けられている「川の流れのように」を始め、「柔」「悲しい酒」「リンゴ追分」「真赤な太陽」「みだれ髪」「港町十三番地」「東京キッド」「悲しき口笛」「波止場だよ、お父つぁん」などがある。

そのほかのシングル曲には、「河童ブギウギ」「涙の紅バラ」「橋のたもとで」「裏町パラダイス」「ちゃっかり節」「ピアノとヴァイオリン」「泥んこブギ」「角兵衛獅子の唄」「裏町のカナリヤ」「母を慕いて」「父恋し母恋し」「あの丘越えて」「いで湯の灯」「リンゴ園の少女」「悲しき小鳩」「お祭りマンボ」「バイ・バイ・ハワイ」「馬っこ先生」「チューチューマンボ」「流れのギター姉妹」「バラ色の乙女たち」「上海」「アゲイン」「エル・チョクロ」「シャボン玉の乙女」「若い歌声」「ジングル・ベル」「茶切節」「会津磐梯山」「可愛いティティナ」「伊豆の踊り子」「ひばりのマドロスさん」「日和下駄」「ブラジルの花嫁さん」「千両舞すがた」「薔薇色の人生」「A列車で行こう」「エスキモーの娘」「素適なランデブー」「旅の軽業娘」「ひばりの船唄」「愛のタンゴ」「ワンワン物語」「花は七いろ」「むすめ木遣ぶし」「君はマドロス海つばめ」「浜っ子マドロス」「青春の恋人たち」「雪之丞変化」「ご機嫌ようマドロスさん」「さのさ節」「都々逸」「ロカビリー剣法」「ら・あさくさ」「若い海若い船」「ルーラ・ルーラ・ルー」「東京も今夜は雨」「べらんめえ芸者」「哀愁波止場」「すたこらマンボ」「テンガロン・ハット」「ラースト・ナイト」「ギター追分」「ひばりのツイスト」「ロマンチックなキューピット」「田舎の子」「愛は消えることなく」「蘇州夜曲」「小さなクラブ」「娘道中伊達姿」「カタリ・カタリ」「人生の並木路」「風雪三代/」「少しの間サヨウナラ」「別れてもありがとう」「それでも私は生きている」「新宿波止場」「花と龍」「ひばりのカンカン囃子」「ひばりづくし」「海にむかう母」「恋女房」「冬のくちびる」「好きなのさ」「われとわが身を眠らす子守唄」「ハハハ」「影を慕いて」「明治一代女」「おまえに惚れた」「男の友情」「越前岬」「剣ひとすじ」「悲しい酒」「人生一路」「八月五日の夜だった」「さくらの唄」「あれから」など、枚挙に暇がない。

オリジナルアルバムには、「ひばりのマドロスさん」「ひばりの花模様」「ひばりの歌絵巻」「ひばりの渡り鳥だよ」「この歌とともに」「美空ひばりの花のステージ」「美空ひばりのヒット・ショウ」「歌は我が命」「母が小さくなった時」「歌は我が命」「ひとりぼっち」「残侠子守唄」「おまえに惚れた」「水仙の詩」「旅ひととせ」「不死鳥」「川の流れのように – 不死鳥パートII -」などがある。

生涯通算でのレコーディング曲数は1,500以上、オリジナルの楽曲は500以上におよぶと言われている。

NHK(日本放送協会)が開催する年末恒例の大規模歌番組「紅白歌合戦」には、16年連続を含む通算17回(1954年、および1957年から1972年)の出場、うち13回でトリを務めている。そのほか、1979年には特別出演として「美空ひばりメモリアルメドレー」を披露、さらに没後の2019年には「AI(人工知能)美空ひばり」が、「あれから」を披露した。

出演した映画には、女優デビュー作となった「のど自慢狂時代」を始め、「踊る龍宮城」「びっくり5人男」「おどろき一家」「ホームラン狂時代」「ヒットパレード」「エノケンの底抜け大放送」「南海の情火」「東京キッド」「とんぼ返り道中」「泣きぬれた人形」「ひばりの子守唄」「陽気な渡り鳥」「あの丘越えて」「リンゴ園の少女」「牛若丸」「悲しき小鳩」「ひばり捕物帖」「陽気な天使」「お嬢さん社長」「ひよどり草紙」「びっくり五十三次」「青春ロマンスシート」「歌ごよみお夏清十郎」「ふり袖侠艶録」「ジャンケン娘」「たけくらべ」「歌え!青春はりきり娘」「ロマンス娘」「恋すがた狐御殿」「鬼姫競艶録」「旗本退屈男」「怪談番町皿屋敷」「ロマンス誕生」「ふり袖太鼓」「大当り三色娘」「丹下左膳」「女ざむらい只今参上」「ひばりの花形探偵合戦」「唄祭りかんざし纏」「希望の乙女」「いろは若衆・ふり袖ざくら」「孔雀城の花嫁」「東京べらんめえ娘」「江戸っ子判官とふり袖小僧」「べらんめえ芸者」「続べらんめえ芸者」「続々べらんめえ芸者」「ひばり十八番・お嬢吉三」「天竜母恋い笠」「べらんめえ芸者罷り通る」「孤剣は折れず」「白馬城の花嫁」「風の野郎と二人づれ」「ひばりのおしゃれ狂女」「ひばりの母恋いギター」「三百六十五夜」「ひばり・チエミのおしどり千両傘」「ひばり・チエミ・いづみ 三人よれば」「おれは侍だ・命を賭ける三人」「残月大川流し」「民謡の旅・秋田おばこ」「美空ひばり・森進一の花と涙と炎」「ひばり・橋の花と喧嘩」「女の花道」「ひばりのすべて」「なつかしの映画歌謡史」など、多数。

出演したテレビドラマには、「かわだぶし物語」「花が実を結ぶとき」「美空ひばり劇場」「大奥」「銭形平次」「あゝ忠臣蔵」「ザ・ガードマン」「初春はひばりとともに」「吉宗評判記・暴れん坊将軍」「女コロンボ危機一髪!」「熱血女先生!まるでセンチな乙女のように」「パパはニュースキャスター」「忠臣蔵・いのちの刻」などがある。そのほか、歌番組やドキュメンタリー番組にも多数出演、もしくはテーマとして取り上げられた。

受賞歴に、日本レコード大賞(大賞、歌唱賞、特別賞、特別栄誉歌手賞、15周年記念特別賞)、ブルーリボン賞(大衆賞)、日本歌謡大賞(放送音楽特別賞)、森田たまパイオニア賞、日本作詩大賞(特別賞)、日本歌謡大賞(特別栄誉賞)、FNS歌謡祭特別賞など、多数。

死因は、特発性間質性肺炎の悪化による呼吸不全併発であった。52歳。晩年は、重度の慢性肝炎、両側特発性大腿骨頭壊死症、肝硬変、大腿骨頭壊死、食道静脈瘤、アレルギー性気管支炎など、数々の病魔に悩まされ、本来であれば静養が必要な状況であったものの、まさに「命を削りながら」ステージに立ち続けた。

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