井上光晴

(いのうえみつはる)
作家・小説家。日本共産党に所属時、党の内情を著した「書かれざる一章」によって批判を受け、除名される。以後、差別など社会における課題や問題をアヴァンギャルドな手法によって書き続けた。

上述の「書かれざる一章」の他、主な著書に、「トロッコと海鳥」「地の群れ」「飢える故郷」「死者の時」「幻影なき虚構」「黒い森林」「他国の死」「妊婦たちの明日」「胸の木槌にしたがえ」「象を撃つ」「海へ行く駅」「鬼池心中」「黒と褐色と灰褐色」「憑かれた人」「似た女想う男」「たたかいの朝」「一九八九年の挑戦者」「サラダキャンプ、北へ」「西海原子力発電所」「褐色のペスト」「だれかの関係」「大胆な生活」「病む猫ムシ」「虫」「暗い人」「自由をわれらに」「十八歳の詩集」「ぐみの木にぐみの花咲く」などがある。

また、「明日 – 1945年8月8日長崎」を原作とした「TOMORROW明日」や、当人への取材を基にしたドキュメンタリー「全身小説家」など、映画化もされている。小説家・尼僧である瀬戸内寂聴と恋人関係にあったことは有名で、彼女の出家は当人(井上光晴)との関係を清算するためだったという。

晩年は癌による闘病生活を送りながらも、精力的に執筆活動を継続していた。大腸癌のため。66歳。

タイトルとURLをコピーしました