伊藤正

(いとうただし)
ジャーナリスト。産経新聞特別記者兼論説委員・産経新聞中国総局長などを歴任し、中国に関する一貫した報道で知られている。

東京外国語大学卒業後、共同通信社の外信部記者として各国の特派員を務めながら、香港支局長や北京支局長などの要職に就く。特に北京赴任時代は、四五天安門事件(第一次天安門事件、1976年)及び六四天安門事件(第二次天安門事件、1989年)の双方を現地にて取材した西側諸国で唯一の記者とされている。

その後、中国情勢に関する記事をメディアにて発表する傍ら、数々の書籍を刊行。当時まだまだ外国メディアに対して閉鎖的だった中国の実情を伝えるこれらのルポルタージュは、貴重な情報として極めて重宝された。

1991年に外信部次長、1998年に論説委員長などを経て、2000年に産経新聞社に移籍。中国総局長を長きに渡って務めた。2009年、日本記者クラブ賞受賞。

主な著書に、産経新聞において取り組んでいた長期連載を基に出版された「鄧小平秘録」を始め、「チャイナ・ウォッチング」「チャイナ・レビュー」「鄧小平と中国近代化」「中国の失われた世代(チャイナ・レビュー2)」などがある。また、翻訳・監修・編集などを手掛けた書籍として、「近代化への道程」「新中国人」「異境」「毛沢東・大躍進秘録」「上海の風」などがある。

死因は、誤嚥性肺炎であった。81歳。

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