黛敏郎

(まゆずみとしろう)
作曲家・音楽家。東京藝術大学講師。ドラマディレクター・演出家・映画監督である黛りんたろうの父。元朝日新聞東京本社学芸部編集委員で、評論家である黛哲郎の兄。「六条隆」「中川洋一」名義での活動もある。

東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団における永久芸術顧問、日本音楽著作権協会会長、日本作曲家協議会会長、横浜放送映画専門学院講師、東京藝術大学講師、裏千家淡交会顧問・評議員などの要職を歴任。

戦後における現代音楽・クラシック音楽を牽引してきた1人として有名。管弦楽、オペラ、吹奏楽・管楽合奏、室内楽・器楽、バレエ音楽、ピアノ曲、映画音楽など、幅広い楽曲を手掛けた。その他、テレビ番組におけるテーマ曲や、小学校・中学校・高等学校などの校歌、様々な団体の曲(団体歌)など、その実績には枚挙に暇がない。伊部晴美・木下牧子・千住明・山内雅弘・土田英介・岩代太郎・TAROかまやつ・佐々木冬彦・城谷正博など多数の門下生を持つ。

代表作をジャンルを問わずにざっと紹介すると、「シンフォニック・ムード」「饗宴」「音楽の誕生」「21世紀へのラプソディ」「パッサカリア」「KOJIKI」「ザ・カブキ」「打楽器とウィンドオーケストラの為の協奏曲」「祖国」「スフェノグラム」「昭和天平楽」「天地創造」「大佛讃歌」「天台声明による始段唄・散華」など、とてもではないがここに書き切れるものではない。

また、楽曲を手掛けた映画には、「カルメン故郷に帰る」「カルメン純情す」「足にさわった女」「帰郷」「青色革命」「幕末太陽傳」「美徳のよろめき」「プーサン」「にあんちゃん」「野獣死すべし」「裸の大将」「アラブの嵐」「あいつと私」「炎上」「お早よう」「キューポラのある街」「武士道残酷物語」「執炎」「仇討」「愛と死の記録」「禁じられた情事の森」「沈丁花」「私が棄てた女」「栄光への5000キロ」「大病人」「メフィストの誘い」などがある。

著書に、「私の茶道入門 これぞ芸術の極み」「日本のこころ」「題名のない音楽会」「現代音楽に関する3人の意見」「日本国新憲法制定宣言」など。

病院にて死去。死因は、肺に発生した癌が転移したことに端を発する、転移性肝腫瘍による肝不全のため。68歳。

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