田中澄江

(たなかすみえ)
脚本家・著作家・随筆家(エッセイスト)。劇作家・演出家・フランス文学者である田中千禾夫の妻。所属は、日本演劇協会・日本文芸家協会・日本放送作家協会・日本ペンクラブなど。中野区教育委員や、国語政策に関する審議会である国語審議会委員だったこともある。東京都名誉都民。紫綬褒章・勲四等宝冠章受章者。

1939年に「劇作」にて発表した戯曲「はる・あき」にて注目を集めるが、戦争のために疎開。その後、京都を中心に発行されていた京都日日新聞(現・京都新聞)の記者などを経て、ようやく数々の戯曲や脚本が評価されるようになる。

受賞歴に、ブルーリボン賞(脚本賞)、NHK放送文化賞、芸術祭賞(優秀賞)、エイボン女性年度賞(功績賞)、女流文学賞、芸術選奨文部大臣賞、紫式部文学賞、読売文学賞などがある。

脚本を手掛けた映画には、「我が家は樂し」「わかれ雲」「稲妻」「セロ弾きのゴーシュ」「獅子の座」「妖精は花の匂いがする」「めし」「心に花の咲く日まで」「晩菊」「女囚と共に」「踊子」「吹雪と共に消えゆきぬ」「別離」「流れる」「安寿と厨子王丸」「うず潮」「女ばかりの夜」「旅路」などがある。

また、脚本を手掛けたテレビドラマには、「新家庭アルバム」「白い風赤い雲」「めだかの歌」「野菊の墓」「あなた事件よ!」「女の勲章」「風のある街」「徳川の夫人たち」「虹」「うず潮」「顔」「しろばんば」「春の谷間」「安寿と厨子王」「二十四の瞳」「憤激の恋」などがある。

さらには、著作家として、「花嫁の学校」「こんにちはねこ」「犬と猫のはなし」「カキツバタ群落」「わたしのこねこ」「夫の始末」「風のある街」などの小説や、「涙の谷より 子にわびる母の記録」「山によみがえる」「いつも待っている」「女の生き方」「女を生きる 枕草子によせて」「女の幸福とは何か」「私の旅私の花」「山によせる心」「この人を愛していいか いのちを注ぐ意識」「愛について悩むあなたに」「惜しみなく愛は与える」「青春を生きるあなたに」「旅と伝説の女たち」「山がそこにあるから」「新約聖書の女たち」「花の百名山」「美しい老いの秘訣」「嫁姑けんかのすすめ」「私のえらんだ女の生き方」「みずみずしい本当の愛」「新しいしつけの常識」「近松門左衛門という人」「遠い日の花のかたみに」「今日のいまを悔いなく生きる」「山はいのちをのばす」「よく考えること、よく生きること」「キリシタン迫害の跡をたずねて」「結婚には覚悟がいる」「私の心の支え」「王朝の美に咲く花たち」「聖書女たちの物語」「ホントにホントの話」といった随筆など、多数の作品を残している。

病院にて死去。老衰のため。91歳。

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