都筑道夫

(つづきみちお)
作家・小説家。ジャンルは主に、推理小説・SF小説だが、その他にも怪談や時代伝奇、ショートショートなど、幅広い創作物を生み出した。落語家であった鶯春亭梅橋の弟。

幼年時代からミステリーや映画に親しみ、学生時代より「淡路龍太郎」など複数のペンネームを使い分けながら推理小説や時代小説を発表。1956年には、早川書房の詩人・翻訳家・エッセイストであった田村隆一より誘いを受け、「エラリイ・クイーンズ・ミステリ・マガジン」の編集長を務める傍ら、アメリカやイギリスなど数多くの海外作家を日本に紹介する。

1959年より本格的に作家活動を開始、「キリオン・スレイ」シリーズ、「なめくじ長屋」シリーズ、「七十五羽の烏」などの作品を次々と発表。単発モノからショート・ショートまで、多様なジャンルに渡るその作品は膨大な数に上り、ショート・ショートだけで優に500を超えるという。後年、その活動の幅はテレビドラマの監修や映画の脚本執筆などにまで及んだ。

主な作品に、上述した「キリオン・スレイ」シリーズ、「なめくじ長屋」シリーズ、「七十五羽の烏」の他、「近藤&土方」シリーズ、「退職刑事」シリーズ、「物部太郎&片岡直次郎」シリーズ、「雪崩連太郎」シリーズ、「西連寺剛」シリーズ、「未来警察」シリーズ、「ホテル・ディック」シリーズ、「女泣川ものがたり」シリーズを始め、「魔海風雲録」「いじわるな花束」「やぶにらみの時計」「三重露出」「ぼくボクとぼく」「誘拐作戦」「怪奇小説という題名の怪奇小説」「十七人目の死神」「悪魔はあくまで悪魔である」「阿蘭陀すてれん」「タフでなければ生きられない」「猫の目が変るように」「にぎやかな悪霊たち」「ハングオーバーTokyo」「翔び去りしものの伝説」「気まぐれダブル・エース」「ロボットDとぼくの冒険」「さよなら犯人くん」「フォークロスコープ日本」「びっくり博覧会」「危険冒険大犯罪」「新顎十郎捕物帳」「アダムはイブに殺された」「深夜クラブ」「秘密箱からくり箱」「グロテスクな夜景」「血のスープ」「デスマスク展示会」「目撃者は月」「骸骨」「悪意辞典」「証拠写真が三十四枚」「都筑道夫スリラーハウス」「はだか川心中」「ミッドナイト・ギャラリー」「神州魔法陣」「幽霊博物館」「幽霊通信」「死体を無事に消すまで」「サタデイ・ナイト・ムービー」「黄色い部屋はいかに改装されたか?」「昨日のツヅキです」「二十世紀のツヅキです」「推理作家の出来るまで」「魔女の誕生」「地理面白事典」「漢字面白事典」などがある。

また、原作として数多くの作品が映像化されており、「危いことなら銭になる」「100発100中」「殺人狂時代」「俺にさわると危ないぜ」「国際秘密警察 絶体絶命」などの映画や、「スパイキャッチャーJ3」「やぶにらみの時計」「ローンウルフ一匹狼」「キイハンター」「なめくじ長屋捕物さわぎ」などのテレビドラマがある。

主な受賞歴に、日本ミステリー文学大賞、日本推理作家協会賞など。

ハワイ・ホノルルの病院にて死去。死因は、動脈硬化症による心臓発作であった。74歳。長年に渡って東京で暮らしていたものの、死去の前年に妻を亡くし、長女の住むホノルルに移住していたとのこと。

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